屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島カレー事情 第38回 春にまた戻る日を待つ渡り鳥 また来ってこいよ南国Amara

拝啓
 
昼間は初夏のような陽気の屋久島麦生でしたが、今日もまた冬季休業のお知らせが。
安房『Amara』(http://amara-yakushima.jimdo.com/food/)さんの今季営業が来週11月10日までと知り、まだ頂いていなかったこの秋限定発売の「ダルカレー」(スリランカの豆カレー)を求めて安房までひと走り。
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店内には二組ほどの賑やかなお客さんが。
それを横目にいつも通りカウンターの端っこの席についてメニューのダルカレーを確認。
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ジャークチキン(手羽元6本)とジンジャーエールをあわせて注文。
本当は“完全ベジ”を謳う豆カレーを先に頂いて、後からガッツリスパイシーなジャークチキンをかじりながらジンジャーエールを飲みほそう!と思っていたのですが、まず出て来たのがジンジャーエールで、次にジャークチキン。
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ジンジャーエールをチョビチョビ飲みながらしばらく待っても豆カレーは出てきそうになかったので、ジャークチキンをいただくことに。
程よいスパイスの辛味と風味で軟骨までしっかりかじり取っていただきました。
3本ほど食べたところで、いよいよダルカレーの登場。
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マスール、ムング、ウラドの三種類の豆を、ココナッツミルクとスパイスで煮込んだ程よい辛味の優しい風味のカレーをサクサクいただきました。

聞けば、「冬季はお客さんの入りが少なくて厳しいので実家に戻って春まで出稼ぎをして、4月には戻って再開します」とのこと。
 
観光客も少なくなってゆったりのんびり過ごせる上に、野菜や魚が一番おいしい季節を迎える冬季こそ、島の美味しいお店は開いていてもらいたいと思うのが人情でしょう。

一年を通して生活(商売)が成り立ち、若い子連れの移住者も安心して子育てができる島にしていくことが島の大きな課題でしょう。
そんな島を目指せば、島に帰ってくる屋久島っ子も増え、島の人口も増加して島が賑わう「正のスパイラル」が機能していくに違いありません。

そのための仕掛けは、移住歴の浅い私でなくても島に暮らしている人ならばいくらでも思いつきます。
必要なのはそれを共有して一つの構想にまとめていくプロデューサーや仕切っていくディレクター。そして島の未来を憂える出資者。
求められているのはあなたかもしれません。

敬具


これまで紹介した「屋久島カレー事情」インデックス

第37回 神代より天下りたり愛の秋 姉弟そろって豆カレー
 平内 「アイノワレストラン」(サウスビレッジ内) ※2015年閉店

第36回 あきもせず くるりくるりの島時間 港に香るカレーの風味
 宮之浦「雪苔屋」
第35回 島に逃げ極楽とんぼの島カレー 南の村の豆カレー
 平内 「サウスビレッジ」※2015年閉店
第34回 透き通る海を背中に浜カレー 浜辺でスパイシー
 一湊海水浴場 「カレー専門店 屋久島カレー グロース」
 安房 「ジャングル・キッチン 近未来」
 楠川 「楠川ふれあいセンター じょんこう茶屋」
第31回 梅雨空に割りてすがしきカレーパン モーニングカレーパン
 尾之間 「ペイタ」
第30回 海山にガッツリカレー連れテイク ガッツリ登山弁当カレー
 安房 「かもがわ」
第29回 台風も賑わうアジアの交差点 パワーアップして帰ってきたAmara
 安房 「新Amara 南国酒場」
第28回 屋久島にアジアの緑風巡り来る 京都からやってきたアジアンカレー
 尾之間「バリスタイル レストラン&バー Warung Karang(ワルンカラン )
第27回 ラーメンをスープにさらう島カレー ラーメン屋のカレー定食
 宮之浦 「王龍(ワンロン)」
第26回 脇役のカレー目当てに蕎麦すする カレーやってます
 尾之間 「手打ちそば屋」※2016年閉店
第25回 春雨に煙る木立のカツカレー 縄文登山のカレー
  安房「杉の茶屋」
第24回 春の午後カレーも香り桜咲く 新しい春のカレー
  尾之間 お食事処「春」(リニューアル店)
第23回 県道に萌え出づる春カレーあり 年季の入ったかわいい系喫茶店
  小瀬田「花鈴」
第22回 花咲ける島のカレーに恵比須顔 島に溢れるなんでもありの多様性
  安房屋久どん」
第21回  雲間より漏れ出づる陽のカレーかな 輝くカレー
  安房「島・しまキッチン」 ※2015年閉店
 
※ 番号の重複をご容赦ください

第21回  対岸に香れるカレー求めけり 海を渡って
  鹿児島市 チチビスコスリランカ かごしま
第20回 どんぶりに残せる鹿よ悪しからず たしかにしか
  宮之浦「カフェ・ヒトメクリ」
第19回  寒中の陽だまりすくう金曜日 金曜はカレーの日
  宮之浦「陽だまり」
第18回  小寒の温かなるビーフカレー 家路
  安房「和が家」
第17回  新年のカレーで初心立ち返る 求めるものは店それぞれに
  宮之浦「洋食の寺田屋
第16回  冬空に一人向かいてカツカレー カァッツ!
  小瀬田「愛子亭」 ※2015年閉店
  春牧「ふれあい」
第15回  幻のカレーやいずこ天狼星 ここは屋久
  安房「萬来軒」
第14回  冬の海眺めてカレー食らう午後 海の見えるカレー
  宮之浦「Bay's Caf'e Jane」
  安房「和茶灯(わさび)」
第13回 食べることそれは生のあかしなり 木枯らしの吹き荒れる海ボンカレー
  陳列棚のカレー 2
第12回 穏やかな秋のバザーにカレーあり マイルドバザーカレー
  安房すみれ幼稚園
第11回  カレーには味も値段も決まりなし あっぱれなカレー
  原「ノマドカフェ」
  尾之間「モッチョムビュー トーン」 
  安房「田中屋」
第10回  一皿に カレーの美学 香り立ち アートなカレー
  麦生「屋久ヴィータキッチン」
  原「屋久ノマド カフェ」
第9回  賭け事は性に合わぬとシカトする 玄関口のカレー
  小瀬田「屋久島空港食堂」
  宮之浦「観光センター」
  陳列棚のカレー
第7回  南蛮の香り受け継ぐカレー蕎麦 熊毛郡ゆかりの南蛮蕎麦
  宮之浦「楓庵」
  安房「きらんくや」
第6回  カレーから立ち現れし店の主 レストランのカレー
  安房ファミリーレストランかもがわ」
  安房サンパウロ
  原「オリオン」
  安房「よろん坂」
  尾之間「トーン」
第5回  カレー屋と聞けば目覚める腹の虫 カレー専門店
  小瀬田「屋久島カレー茶房 ハイビスカス」
  宮之浦「カレー専門店 屋久島カレー グロース」
  安房「カレーと多国籍料理の店 Amara」
第4回  手で割って頬張る楽しさカレーパン カレーパン事情
  宮之浦「ひらみ屋」
  安房「ヒロベーカリー」
  安房「しいば」
  尾之間「Pain de Sucre パン・ド・シュクル」
第3回 風を待つ街にカレーの風が吹く 「本格」「印度風」ばやり
  島外のカレー
第2回 一皿の命の旨味有難し 樹林のオーロラカレー
  小瀬田「樹林」
第1回 独りでもカレーが繋ぐ人の縁 萬萬亭の500円カレー
  小瀬田「萬萬亭」