屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

クローブで釘付けにせん 夏の宵

拝啓
 
台風八号で足止めされて屋久島に戻ったのが金曜の午後。それからコテージにお泊りになるお客様の受け入れ準備とカレーの仕込みに終日追われました。
 
さて、7月13日「スパイシーブックカフェ イートハーブ」第7回通常営業日のカレーは「キーマと夏野菜のカレープレート」。キーマカレーは、どなたにも食べていただきやすいように種子島産黒糖を利かせたやや甘口。初登場の夏野菜カレーはマスタードシードを香り付けに使ったピリ辛口仕立てにしました。
 
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夏野菜カレーはタマネギ・トマト・ショウガ・ニンニクをスパイスで炒め煮したカレーベースに、サラダオイルで素揚げしたタマネギ・オクラ・ズッキーニ・カボチャ・ナスとトマトの六種類の具。
 
京都の千鳥酢で漬けたニンジン・パプリカ・ピーマン・タマネギ・キューリのピクルス、いつもより辛口に仕上げたタンドリーチキン、○喜商店さんの業務用すり身を使ってカレーベースと合わせて蒸し焼きしたトッピーハンバーグを添えました。
 
前回までで開店記念特別価格は終了させていただいたため、今回のカレープレートは950円(ドリンクセット1,200円)にさせていただきました。ちなみに今回のAカップキーマカレーは700円、タンドリーホットサンドは500円でご提供申し上げました。
 
11時の開店時にはメニューシートもご用意できなかった上、午後1時半にはカレープレートは完売となり、楽しみにおいで下さったお客様にはご迷惑をお掛けし、大変申し訳ございませんでした。できれば次回からはニンジンベースでクローブを利かせた「萌え燃えスープ」もお付けして召し上がっていただこうかと思っております。
 
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イートハーブ香草食堂は本来、様々なハーブやスパイスの味と効用を楽しんでいただくことを主としたカフェです。カレーの旨味はタマネギ・トマト・ニンニク・ショウガ、風味の中心はクミン、コリアンダー、シナモン、ターメリックですが、六角堂イートハーブのスパイスのポイントはクローブとカルダモン。
 
クローブ(Clove)の学名はSyzygium aromaticum、和名はチョウジ(丁子)でフトモモ科フトモモ属の常緑高木です。クローブの名はフランス語で「釘」を意味するclouに由来しており、開花前のつぼみの形が釘に似ていることから来ています。カレーやスープやピクルスにこげ茶色の釘のようなものを見つけたら、それがクローブです。日本には5~6世紀には紹介されていたようで、正倉院の宝物のなかにも当時輸入された丁子があり、源氏物語にも登場します。
 
強い鎮痛効果と抗菌効果があり、歯痛や歯肉炎を鎮めてくれるので、歯科でも歯痛や居所麻酔などに利用され、「歯医者さんのハーブ」とも言われます。また脳に刺激をもたらし、抑うつ的な気分を明るくしてくれ、集中力を高める効果もあるとのこと。
 
さらに特筆すべきは催淫効果。インドでは愛の薬として用いられてきたそうです。クローブの芳香の主成分であるオイゲノールが生殖器に作用して子宮を興奮させ催淫効果をもたらします。また男性のインポテンツや女性の不感症にも有効だといわれています。クローブのつぼみは、何やらそんな気分にさせてくれそうな形をしていないでもありません。
 
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六角堂イートハーブカレーにお付けするスパイシースープは、そんなクローブの成分をしっかり含んだ「萌え燃えスープ」。朝起きてもやる気が出ずにしおれがちな方、夜を元気に迎えたい方はぜひ、日曜のお昼に六角堂カレーをお召し上がりください。
 
敬具