拝啓
師走に入ったとて、どう変わることもないのに何やら気忙しい週末。
島の里で出会ったのはこちら。
実は、
この冬、県道を行き来する道すがら気になっていた看板が二つ。
その一つが、
平内の「珈琲 シーサーシーサー」さんの看板。
春からずっと、夏が過ぎても看板にシートが掛けられたまま、
もうお店を閉じられたのかと案じていたところ、
先日復元されていることに気付いた次第。
続く曇天に肌寒さを感じる中、
島のアイスクリームとかき氷を紹介するシリーズ「屋久島あいすくるりん」も、
ここらで一区切りつけるべしと、
海際に降りる林道を進めば……
「やってます」の看板に安堵。
席に着くなり「アイスクリーム善哉の珈琲セット」を注文。
アイスクリームを取り囲む白玉と小豆の構図は、
向き合う人を安心させてくれる安定感に満ち満ち、
艶やかに放たれる光は心をほんのり明るく。
マスターが淹れて下さった珈琲に、曇りがちな心も晴れてまいりました。
で、
そのカウンターに控えていたのがママさんが毎年作られる干支の焼き物。
聞けば、20個ほど作った丑も、これがもう最後だとのこと。
残り福にと選んだのは、お雛さんのような座り姿のカップルさんではなく、
ひょうきんな顔をしたお方。
コロナ感染への不安で春から7か月間お店を休業されていたものの、
ずっと閉めたままだと人とのコミュニケーションも図れず、
体も心も調子が悪くなりそうだったとのこと。
感染予防の仕方も分かって来たこともあり、
ママさんも作品を多くの方に観て頂きたくて、
常連さんのご要望に応えるためにも再開を決意。
島で一番「マスター・ママさん」の言葉が似合う珈琲店。
屋久島最南端のカフェとしていつまでも元気にお店を開けて頂きたいものです。
そして、
もう一つ気になっていた看板がこちら。
同じ平内の「アセンス工房」さんの看板。
秋以降、店名の入った板が抜き取られ、
こちらもまたコロナ禍で店を閉められたのかと案じていた次第。
もし、開いていればクリスマス飾などを頂こうかと坂道を登れば、
駐車場には「WELCOM」の看板が無造作に置かれ、
お店の入り口には材木が立て掛けられておりましたが、
こんちは!と玄関口で声を掛ければ、ご主人が中で作業を。
聞けば、工房の改装中だとのこと。
クリスマスらしい作品は?と尋ねれば、「天使がいます!」とのお答え。
その中から、
一番歌声を響かせているような天使さんを六角堂にお連れすることに。
体は屋久杉、羽根は楠木。
しんみりと幼い声で「きよしこの夜」を歌い出すかと思いきや、
ボヘミアン・ラプソディーを熱唱するかも。
ボヘミアン・ラプソディ~「氷川きよし・きよしこの夜Vol.19」YouTube
麦生の里のポインセチアは燃える炎、
次第に色付くタンカンは島の冬を照らすボンボリ。
アセンスの天使さんとシーサーシーサーの牛さんがお住まいになった六角堂、
慎ましくも穏やかに年を越せますように。
敬具