屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島ほんの気持ちばかり第13回 お店で過ごすコロナなひと時

拝啓

8月28日夕刻、安部総理大臣がついに辞任の意向を表明されましたが、コロナ災禍の終息は未だし。

ただ、屋久島の飲食店の営業状況は各店様々。

以前と変わらぬスタイルで“ふつー”に営業されているお店もあれば、テイクアウトのみに絞ったままのお店もまた。

ご来店のお客様も同様、店内でマスク姿を見ることのないお店もあれば、マスク着用で入店すぐさま手洗いを欠かさないお客様も。

六角堂ちんたらカフェは8月、試行錯誤しつつテイクアウトと店内飲食の両方を三日ばかりさせて頂きました。

デッキに新設した「真っ暗な海を望むカウンター席」をご利用くださったお客様や、今まで裏メニュー的存在だった二種盛テイクアウトにご満足下さったお客様もいらっしゃってほっと一息。

 

ただ、改めて感じたのはイートハーブはやはりBookCafeであり続けたいということ。

本を開いてゆったりお茶を召し上がって下さるお客様の姿に少しく感動。

 

というわけで、カフェメニューにぴったりの本のご案内三つ。

 

まずは「パイナップルとトマトソースバーガー+エビマカロニグラタン」のお供にムーミンコミックス 春の気分』

小さなカウンター席に並べられた絵本のチョイスが何故か自家製ハンバーガーにフィット。

ムーミン一家の暮らしぶりは、オーナーご家族にも通じるところがあるようにも。

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ムーミンを読み返したくて、今週は「パイナップルとトマトソースバーガーWに新作ドリンク「はりきれショーガ」を注文させていただきました。

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お次は、この夏一番出会えてよかった「フルーツポンチ」のお供に『虫とゴリラ』

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この本の最初に、ゴリラ学者山極寿一氏の「被子植物が作った世界」という文章が。

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フルーツをめぐる虫とサルと人間の関わりを読めば、フルーツポンチの味わいもまた格別に。

 

そして、リニューアルされた「チキンカレー」のお供には、

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これまで何度もページを繰った『小泉今日子 書評集』

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寺山修司少女詩集」の書評が、店先の睡蓮の花とダブって趣深し。

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雨粒を纏った花びらは王冠のよう。

そういえばコロナウイルスの名は、その形態からギリシャ語で王冠“crown”を意味する“corona”が由来だとか。

睡蓮の花言葉は清純な心・信頼。

 

さて、いま心配なのは“ウイズコロナ”(Coexist with COVID-19)とやらの今後。

マスク一枚にしても、着ける着けないのかまびすしさ溢れる世間。

それがワクチン接種を巡って、一層辟易することになるのではないかと。

狂犬病予防接種済」宜しく、ワクチン接種済みのステッカーを店頭に張らされたり、

ワクチン接種をしていない人が様々な不利益をこうむったり……

この半年の日本列島の騒然さを思い起こせば容易に想像できることです。

 

感染予防書や似非科学書ではなく、

自然や人の多様性とその受容を説く本が書架に並ぶお店で、ゆったりゆるゆるお茶したいものです。

敬具

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