拝啓
島の各地区での運動会、学校での学習発表会などに加え、安房では新たな風物となりつつある「屋久島夢祭り」(http://yakushimayumematsuri.jimdo.com/)も行われて秋深まりゆく屋久島。
年中変わらぬメニューでお腹を満たしてくれる定食屋もありがたい存在ですが、季節の移ろいをほんわか感じさせてくれる店にしばし腰を下ろすと、ささくれがちな心もしっとり落ち着くようで。
昼過ぎの宮之浦港に出向くとフェリー太陽とフェリー屋久島2が仲良く向き合い
フェリー待合所の2階にある「雪苔屋」(http://yukigokeya.blogspot.jp/)さんでは、秋のメニューがお出迎え
甘党ではないのですが、目新しいもん好きの季節もん好きゆえ、米粉のパンケーキとぜんざいを注文。
まずはぜんざいの登場。
餅に隠れて見えませんが下には薩摩芋がほっこり。程よい甘みと茹で具合の小豆が舌に優しく、焼餅の風味と触感が日本の秋の恵みをじんわり伝えてくれる逸品。
続いて米粉のパンケーキ
米粉と思わぬフンワリ感が予想外の楽しい食感。島バナナの微かな酸味がリンゴジャムとリンゴバターのコクと響き合っていっそう楽しくいただけました。これに合うのはシナモンティーではないかと若い女将さんに問いかければ「コーヒーが一番です」とたしなめられました。
食の秋を満喫して六角堂に戻った後、店に帽子を置き忘れたことに気付いたもののすでに夕暮れ。翌日、買い物ついでに再び訪れ、思い残していたココナッツぜんざいを注文。
産まれて初めていただくココナッツぜんざい。まずは汁を啜り、ホゥ!白玉を口に含みウン!島バナナを噛みしめてヘェ!お薦めされたようにグリーンレモンを絞りかけて小豆を啜ってナンとマァ!
予想を超えたココナッツぜんざいの味と香りの絶妙な和音に優しい気持ちが湧き出すひと時。一つのメニューを考案し、それを試行錯誤しながら仕上げる作り手の楽しさを共有させていただきました。
その帰り道、小瀬田まで車を走らせて思わず寄ってみたくなったのが以前もご紹介した「ひよりや」さん。飛行場上に開けた窓辺のカウンター席に座ると、今日のメニューは野菜の煮物か唐揚げの選択とか。ここはやはり島ではここでしか食べられない特製車麩の唐揚げに
彩に気を使った盛り付けもさることながら、右上の里芋の煮物の滑らかな舌触りと控えめな味付けが、作り手の食材に対する愛おしみを感じさせてくれました。
年明けは一月ばかり休業されるとのことですが、こうしたお店が末永く島に根付いてくれることを願わずにはいられません。
二つのお店でたっぷり頂いた新鮮な楽しさと優しい心遣いを、屋久島麦生の六角堂で、皆様にお分けできれば幸いです。
敬具