拝啓
「ゆるキャラグランプリ2018~in花園」で“ご当地キャラクターグランプリ”に輝いたのは埼玉県志木市文化スポーツ振興公社の「カパル」。
“企業・その他部門”では関西電力の「はぴ太ファミリー」が第1位に。
いくつかの自治体のご当地キャラクターは組織票云々で話題になり、毎日新聞のWebニュース(https://mainichi.jp/articles/20181119/k00/00m/040/007000c)では「実行委の西秀一郎会長は、グランプリの過熱ぶりについて「ゆるキャラが特効薬だった時代は終わった。ゆるキャラに頼るなということだ」と苦言を呈した」と報道。“ならば、ゆるキャラグランプリ自体やめておけよ”との突っ込みが聞こえてきそうですが……
世界に名だたる屋久島の「公式キャラクター」は見たことも聞いたこともありません。そこで、ネットで検索するとヒットしたのは屋久島環境文化財団の「まるりん」。
宮之浦の高速船待合所にいる「やっくん」はキャラというより鹿のまんま。
屋久島観光センターで販売されている「屋久島の森の妖精 もりっぱ&もりっぴ」は「もりっぱは森の中の一枚の葉っぱ。屋久島の雨や風は厳しいけど森のみんなといるとと~っても元気!もりっぱもちっちゃな力だけど、仲間と一緒に屋久島の森を守ってるんだ」とのことですが……
「やくしまや」さんのサイトには(http://www.yakushimaya.com/proinfo-acce.php)を覗くと、縄文杉キューピーやら、ヤクサルキューピーやら、ウミガメキューピーやら
たんかんイエローやら、屋久しかピンクやら、亀んライダーなどヤクシママンシリーズもいるようですが、いわば商品。
なぜに屋久島町公式ゆるキャラはいないのか?その理由として考えられるのは……
① ゆるきゃらなどと言うのは俗悪で、世界自然遺産の島にふさわしくないから
② ゆるキャラなど作らなくても観光客は来ているので必要ないから
③ 新庁舎の建設やらゲートボール場の建設やらで予算がないから
④ 合併前の上屋久町と屋久町のしこりが残って屋久島町統合の意識が希薄だから
⑤ 「また余計なもん作って」と町民から批判されたくないから etc.
といくらも妄想は膨らみますが、個人的には“ポスト縄文杉時代”を間近に迎える今こそ、そのいずれの否定的意見を乗り越えて島キャラを作るべきかと。
ペコちゃん人形なくしてミルキー(1951年発売)がこれほどの長寿商品になりえたのか。
ケロちゃんなくしてコルゲンコーワがあれほどに売れたか。
コルゲンコーワ ケロちゃん店頭用首振り人形129,000円
そして、それ以上に大切なのは春牧とび魚祭りで出会った「とびまる」君を取り囲む子供たちの笑顔。
外に向けて島を商品として売り込むためというより、島の未来を担う子供たちが島に愛着を持ち、島を離れても思い起こして懐かしみ、島に関わったすべての人が共有する島のシンボルとしてのゆるキャラ作り。
素朴なキャラもよいですが、好みとしては影絵作家藤城清治発案の「ケロンパ」の世界。
そうそう、ゆるきゃらグランプリの「カパル」は埼玉出身でしたが、来年2月には埼玉が舞台になった映画『翔んで埼玉』が封切予定。
一時期埼玉に住んでいた『パタリロ』の作者魔夜峰央の漫画の実写映画で、埼玉出身の女優島崎遥香もキャストに。
映画『翔んで埼玉』予告編映像・ポスタービジュアル・主題歌情報解禁
https://www.toei.co.jp/release/movie/1213691_979.html
https://www.toei.co.jp/release/movie/1213691_979.html
二階堂ふみ&GACKTダブル主演『翔んで埼玉』特報
原作漫画の紹介は「月曜から夜ふかし埼玉県民!」でも
ちょっとした気恥ずかしさを抱きつつも愛着を捨てきれない故郷。そのイメージを共有できる何かを生み出せれば幸いです。
敬具