屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

六角堂イートハーブ 11月の営業予定

六角堂スパイシーブックカフェ
🍛📚☕
イートハーブからのお知らせ

今週ちんたらカフェはお休みです
m(__)m
次回営業は11月7日・8日の予定
11月16日(金)には
お隣のタイパンツ&マッサージ「ルンルンナーム」さんと共同イベント企画中。
内容は追ってお知らせいたします。
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開ける日少ないちんたらカフェゆえ
お客様のご都合に合うよう、営業日は週ごとに変えております
お問い合わせは
080-1466-0006
前日までのご予約は
Facebookのメッセンジャーでも承っております

拝啓

古文の教科書に必ずと言ってよいほど載せられている吉田兼好の『徒然草』137段

花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは。雨に向かひて月を恋ひ、垂れ籠めて春の行方知らぬも、なほあはれに情け深し。咲きぬべきほどの梢、散りしをれたる庭などこそ見どころ多けれ……
(桜は満開、月は満月だけが見る価値があるべきものなのか。雨の日に月を恋しく思い、簾を垂れて部屋にこもって、春の行方を知らないでいるのも情趣が深い。花が咲く頃の梢であるとか、散って萎れた花びらが舞う庭だとかにも見所がある)

……望月の隈なきを千里の外まで眺めたるよりも、暁近くなりて待ち出でたるが、いと心深う、青みたるやうにて、深き山の杉の梢に見えたる、木の間の影、うちしぐれたるむら雲隠れのほど、またなくあはれなり。
(千里の果てまで満月の明かりが照らしているのを眺めているよりも、夜明け近くになって漸く持っていた月が雲の隙間から見えた時のほうが、とてもその月の青さが心に深く染み渡ってくるものだ。青い月の下に見える深い山の杉の木の影、雨雲の隠れる具合など、この上なく感慨深い)

この「暁近くなりて待ち出でたる」月は満月から日毎に欠けて行く下弦の月。

2018年10月21日、暦の上での13夜は満ち行く上弦の月。
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23日月齢13.8
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24日月齢14.8
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25日月齢15.8の望月
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そしてこちらは29日深夜0時過ぎ、東の空に上った下弦の月。
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望月(十五夜)の次が十六夜(いざよい=ためらい)、その次は立待ち月(月の出を立って待つ)、次は居待ち月(座って待つ)、次は寝待ち月(寝て待つ)……と月の出時間が遅くなっても、晴れていようが降っていようが夜空を見上げる日々は風流というより、島暮らしの日課の一部。

朝、コテージにご滞在されたお客様をお見送りした後、掃除やら洗濯やら、庭を巡って芙蓉の落花や落葉掃き
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散った金木犀の隣で満開となった山茶花を愛で
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川縁に咲く野生の一重の白い山茶花に見入り
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買い物ついでにお店を巡り、夕方にはコテージご到着のお客様をお出迎え。

一息ついて玉ねぎ7㎏みじん切り、ホールスパイスで香り付けしたオリーブオイル1.5ℓで狸色になるまで中火で炒め
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トマト3kg、ニンニク・ショウガ合わせて1kg、4時間かけて炒めては、6種類のスパイス加えてしばらく煮込んでカレーベースの仕込み作業。
それができたら鶏ももひき肉4㎏とニンジン1㎏、種子島産黒糖にスパイス加えてキーマカレーをクツクツ2時間
作業の合間に京都の千鳥酢・ラッキョウ酢に香り付けしたオリーブオイルで三種類のピクルス作り、
それが済んだらココナッツカレーの下準備……

夜更けてからは、ブログやフェイスブックで島のあれこれご案内。

そんなこんなのちんたらボチボチ、なかなかお店は開けませんが、秋深まり行く島の午後、ごゆるりお過ごしいただければ有難いことこの上なしのブックカフェ。
次回のご来店、心よりお待ち申し上げております。

先の『徒然草』の137段、教科書では省略されがちなのが次の一節

万の事も、始め・終りこそをかしけれ。男女の情も、ひとへに逢ひ見るをば言ふものかは。逢はで止みにし憂さを思ひ、あだなる契りをかこち、長き夜を独り明し、遠き雲井を思ひやり、浅茅が宿に昔を偲ぶこそ、色好むとは言はめ……
あらゆる事は、始めと終わりこそが興味深いものなのだ。男女の情趣というのも、いちずに逢って抱き合うことだけを言っているのだろうか。逢えない事を憂いて、儚い約束を嘆いて、長い夜を独りで明かして、遠い雲の下に相手を思い、荒野の宿に昔の恋を偲んでいる。こういったことも、色恋の情趣と言えるだろう)

こんな一節を授業で教える先生や入試問題にする粋な学校であればこそ、健やかなる情感を育てられると思った昔日遠し。

敬具