拝啓
8月末にプレオープンされた湯泊温泉の「はまゆ」さん。
ママさん帰省中でマスターお一人の営業であるにもかかわらず、手作りスウィーツ奮闘中との噂を聞き、いそいそ湯泊へ。
温泉手前の駐車場ではフリチンの男の子が跳ね回り、フラのような踊りを踊るお母さんと娘さん達、島ののどかな景色の脇を行き過ぎた喫茶はまゆの前には……
ムシロ旗ならぬコーヒー豆袋旗が風にゆんらり。「旗掲げ何やらゆかし男cafe」の風情を醸し出しております。
マスターに今日の深煎り珈琲に合うのはどれかと尋ね、季節限定とのことでカボチャプリンと珈琲を注文。
ママさん在店の折には流れていなかった軽妙なジャズを聴きつつ待つことしばし。ゆっくり丁寧に淹れられた珈琲を啜っている内にカボチャプリンの登場です。
沈みゆく秋の夕陽を浴びた生クリームのセクシーさ。
心密かに“ムッシュパンプキン”と名付けたプリンをひと匙ひと匙味わわせていただきました。
珈琲の苦みとプリンの甘味の余韻を楽しみつつ店を出ると、風呂桶と手拭を持った御老体が話し掛けて来られましたが……
方言に加えて少しばかり言葉に不自由がおありのようで、何をおっしゃっているのかわからず頓珍漢な問答を繰り返し。
“体が不自由で坂を登るのが大変だから、坂の上の家の前まで車で送ってくれないか”との旨ようやく了解。
お安い御用と送る坂道、夕映えの湯泊温泉が目に入り、お兄さんを送った後で引き返し、スマホでパシャリ。
ちょっとしたセンチメンタルジャーニー(松本伊代ではありません)気分で六角堂へと車を走らせる道すがら、島にはあまた移住者カフェ(飲食店)があるものの、その多くが女性オーナーさんのお店だということを反芻。
これまでご案内したそうしたお店を島の北西からぐるりと時計回りで並べれば……
・永田の
水照玉
sea & sun
理具庵
・吉田に
かつてあった吉田ドーナツ
・一湊には
きよこんねがい
・志戸子には
kiina
・宮之浦には
ヒトメクリ
やまがら屋
TERRA
・小瀬田/長峰には
ひよりや
mori cafe STAND
Yakushima Candle HIKARI
・安房には
日と月と
閉店された山カフェ
あっという間に閉店したumicafe
・春牧/横峯には
のどか
・高平には
たかひらカフェ
・尾之間には安房へ移転した
WarungKarang
・小島/平内には
naa yuu cafe
Na*ga-no
海泉茶屋
惜しくも閉店されたLa table
・中間には
つわの花
すでに廃業されたお店も含めて24軒、その大半は店員を雇わずお一人で切り盛り。
その一方で、移住者男性が一人で営んでいるお店と言えば……
・長峰の萬萬亭さん
・宮之浦のテイクアウト揚げピザ屋のこむぎこやさんぐらいかと。
他に移住者ではないおっちゃんが一人でやっている(いた)お店と言えば、
・志戸子のたこ焼き&お好み焼き屋ココ一番さん
・小瀬田のモリカフェさんの店頭に立っていたオヤジさんは大阪に出て行かれてどうされているのか
思い起こせば宮之浦と楠川の境にかつてあった伝説のカレー屋うふふ。
残念ながらマスターがご病気になられて閉店。
その斜め向かい(現たぶがわ)に奈良から移住されたおっちゃんが開いたピザ屋……
店名を忘れてしまいましたが知らぬ間に島を出られたご様子。
改めて、島に移住してこられる女性の逞しさを実感。
そんな島の里のパワーをこの目で見てこの耳で聞いてこの舌で味わってみたいと思われる地球人の皆様、六角堂をベースにこの秋冬、探索されてはいかがでしょうか?
六角堂は泊まれば泊まるほど安くなる長期滞在型コテージ、お一人様割引に加えて冬季割引もございます。http://www.yakushima-h.com/
と、最後は宣伝になってしまいましたが、島の山や海には全く縁のない分だけ島の飲食店にはめっぽう詳しい六角堂でございます。
敬具
追伸
島の男cafeで忘れてならないはずの原集落のどうぶちさん。
ブログ記事を追加しました。
追伸その2
先日、湯泊温泉はまゆに伺うとママさんがご帰島。
男らしさを湛えた店先の豆袋旗は撤去され、カボチャプリンは男バージョンから女バージョンへ劇的変化。
ドリンクも男のマッチョ珈琲から女のセクシーミルクティーへシフト。
同じお店のメニューでも、作り手が違うとこうも違うのか……ジェンダーについての新たな視点を頂きました。