屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島カレー事情 第56回 薫る風命育む薬の島

拝啓

雨上がりの蒸し暑さが梅雨の到来間近しと伝えているような昼下がり。こんな時にはカレーで気合を入れ直すべく、以前から気になっていたあそこへ向かうことに。

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原(はるお)の県道沿いに色鮮やかな幟立つ「食堂 もっちょむ山荘」さん。デッキ席に腰を掛け、メニューを見れば春のメニューから

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初夏のメニューに衣替え

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屋久島トリッコロール第6回 すさぶ海渡りて鴨の鍋となる」でご紹介した「鴨鍋」は消え、「屋久島丼紀行 第9回-丼はハイブリッド文化の象徴」でご紹介した天丼は健在でしたが100円アップ。目当ての薬草カレーは「屋久島の薬草カレー」から「自家製薬草カレー」に名称変更して100円アップですが、気にせず注文。

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薬草カレーの能書きシートを眺め、「自家製」は何であれコストが掛るものだと思いつつ待つことしばし……

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和風という割に辛味も利いていてサクサク完食。降圧剤を常用する身、薬草がじんわり効いてくれれば幸いです。

さて、屋久島はウコンを始めとした薬草を商品化していることを知る島外の方は少ないかも。ガジュツを主成分とする胃腸薬の「恵命我神散」で名を馳せた1933年の創業の「恵命堂」は島の製薬会社。そのHPには屋久島の薬草についての紹介ページも

日本家庭薬協会のHPには工場見学の様子も。

楠川にある「屋久島大社」は、この恵命堂初代社長により1977年建立された社。

また、ブログ『屋久島発 田舎暮らし通信』さんには2016年に開かれた「屋久島薬草研究所」の紹介も。

縄文様やもののけ様の効用薄くなりつつある今、「心も体も元気にする島」として新たに打ち出すべく、官民挙げて薬草栽培、商品開発に力を入れればと思うことしきり。

ちなみに六角堂イートハーブのターメリックライスは島の特産秋ウコン(ターメリック)を使用しております。ターメリック(turmeric)の名はラテン語で「素晴らしい大地」を意味する「terra merita(テラ・メェリタ)」が由来だとか。

「秋ウコン=ターメリック」は漢方薬名の鬱金(ウコン)。それに対して「春ウコン」は姜黄(キョウオウ)で「紫ウコン」は莪朮(ガジュツ)。それぞれ用途も効能も違います。

その効能はこちらのHPにも。
「たべるご」
「植物の贈り物」

何はともあれ、今日の一皿、ご馳走様でした。

敬具



これまで紹介した「屋久島カレー事情」インデックス

  宮之浦 「宮カフェ」
  一湊  「なっちゃん食堂」
  小瀬田 「mori cafe STAND」
  原 「ノマドカフェ」
  安房  「山カフェ 」
第50回 島の濃き緑染み入るカフェカレー  最北のカレー
  永田 「水照玉」
第49回 段々の青き棚田に福来れ  爽やかな女将さんの前途を祝して
  椨川 「たぶ川」
第48回 島に居て上機嫌なる腹の虫   一食の価値あるアートカレー
  麦生「DAVIS」
第47回 夏雲の島に生まれし海カレー 根っからの島民による全国民のためのカレー
  宮之浦 「やくしま食堂」
第46赤き子の島に生まれし雨後の昼 和洋の狭間に知るカレーの深み
  安房 武田館キッチンハウス「かたぎりさん」
第45回 物騒な世を鎮めるや島カレー 明日に向かって撃て
  原 「ノマドカフェ」
第44回 年の瀬に飛び立ちて行く背や丸し  EBI Fly to the distance
 安房 「田中屋」
第43回 和も洋も隔てなきなり島カレー 受けて立った宮之浦の戦い
 宮之浦「雲水」
第42回 春牧に昇る旭日を拝みけり 笑顔は究極のスパイスなり
 春牧「喜楽里」
第41回 軒先の雫気にせずカレー買う 県道脇のコンテナで作るオヤジに買うオヤジ
 小瀬田 「モリカフェ」
第40回 新月に隠れてうさぎカレー食い カレーが地球を回している
 麦生「DAVIS」
第39回 人の世を写して流る秋の雲 ブタにも「六」がありました
 安房「ポルコ」
第38回 春にまた戻る日を待つ渡り鳥 また来ってこいよ南国Amara
 安房「Amara」 ※2016年閉店
第37回 神代より天下りたり愛の秋 姉弟そろって豆カレー
 平内 「アイノワレストラン」(サウスビレッジ内) ※2015年閉店

第36回 あきもせず くるりくるりの島時間 港に香るカレーの風味
 宮之浦「雪苔屋」
第35回 島に逃げ極楽とんぼの島カレー 南の村の豆カレー
 平内 「サウスビレッジ」※2015年閉店
第34回 透き通る海を背中に浜カレー 浜辺でスパイシー
 一湊海水浴場 「カレー専門店 屋久島カレー グロース」
 安房 「ジャングル・キッチン 近未来」
 楠川 「楠川ふれあいセンター じょんこう茶屋」
第31回 梅雨空に割りてすがしきカレーパン モーニングカレーパン
 尾之間 「ペイタ」
第30回 海山にガッツリカレー連れテイク ガッツリ登山弁当カレー
 安房 「かもがわ」
第29回 台風も賑わうアジアの交差点 パワーアップして帰ってきたAmara
 安房 「新Amara 南国酒場」※2016年閉店
第28回 屋久島にアジアの緑風巡り来る 京都からやってきたアジアンカレー
 尾之間「バリスタイル レストラン&バー Warung Karang(ワルンカラン )
第27回 ラーメンをスープにさらう島カレー ラーメン屋のカレー定食
 宮之浦 「王龍(ワンロン)」 ※2016年閉店
第26回 脇役のカレー目当てに蕎麦すする カレーやってます
 尾之間 「手打ちそば屋」※2016年閉店
第25回 春雨に煙る木立のカツカレー 縄文登山のカレー
  安房「杉の茶屋」
第24回 春の午後カレーも香り桜咲く 新しい春のカレー
  尾之間 お食事処「春」(リニューアル店) ※2016年休店
第23回 県道に萌え出づる春カレーあり 年季の入ったかわいい系喫茶店
  小瀬田「花鈴」
第22回 花咲ける島のカレーに恵比須顔 島に溢れるなんでもありの多様性
  安房「屋久どん」
第21回  雲間より漏れ出づる陽のカレーかな 輝くカレー
  安房「島・しまキッチン」 ※2015年閉店

※ 番号の重複をご容赦ください

第21回  対岸に香れるカレー求めけり 海を渡って
  鹿児島市 チチビスコ、スリランカ かごしま
第20回 どんぶりに残せる鹿よ悪しからず たしかにしか
  宮之浦「カフェ・ヒトメクリ」
第19回  寒中の陽だまりすくう金曜日 金曜はカレーの日
  宮之浦「陽だまり」
第18回  小寒の温かなるビーフカレー 家路
  安房「和が家」
第17回  新年のカレーで初心立ち返る 求めるものは店それぞれに
  宮之浦「洋食の寺田屋」
第16回  冬空に一人向かいてカツカレー カァッツ!
  小瀬田「愛子亭」 ※2015年閉店
  春牧「ふれあい」
第15回  幻のカレーやいずこ天狼星 ここは屋久島
  安房「萬来軒」 ※2016年閉店
第14回  冬の海眺めてカレー食らう午後 海の見えるカレー
  宮之浦「Bay's Caf'e Jane」
  安房「和茶灯(わさび)」
第13回 食べることそれは生のあかしなり 木枯らしの吹き荒れる海ボンカレー
  陳列棚のカレー 2
第12回 穏やかな秋のバザーにカレーあり マイルドバザーカレー
  安房「すみれ幼稚園」
第11回  カレーには味も値段も決まりなし あっぱれなカレー
  原「ノマドカフェ」
  尾之間「モッチョムビュー トーン」 
  安房「田中屋」
第10回  一皿に カレーの美学 香り立ち アートなカレー
  麦生「屋久島ヴィータキッチン」
  原「屋久島 ノマド カフェ」
第9回  賭け事は性に合わぬとシカトする 玄関口のカレー
  小瀬田「エアポートやくしま」
  宮之浦「観光センター」
第8回 おいどんにカレーうどんは似合わぬか Aコープのカレーうどん
  陳列棚のカレー
第7回  南蛮の香り受け継ぐカレー蕎麦 熊毛郡ゆかりの南蛮蕎麦
  宮之浦「楓庵」
  安房「きらんくや」
第6回  カレーから立ち現れし店の主 レストランのカレー
  安房「ファミリーレストラン かもがわ」
  安房「サンパウロ」
  原「オリオン」
  安房「よろん坂」
  尾之間「トーン」
第5回  カレー屋と聞けば目覚める腹の虫 カレー専門店
  小瀬田「屋久島カレー茶房 ハイビスカス」
  宮之浦「カレー専門店 屋久島カレー グロース」
  安房「カレーと多国籍料理の店 Amara」 ※2016年閉店
第4回  手で割って頬張る楽しさカレーパン カレーパン事情
  宮之浦「ひらみ屋」
  安房「ヒロベーカリー」
  安房「しいば」
  尾之間「Pain de Sucre パン・ド・シュクル」
第3回 風を待つ街にカレーの風が吹く 「本格」「印度風」ばやり
  島外のカレー
第2回 一皿の命の旨味有難し 樹林のオーロラカレー
  小瀬田「樹林」
第1回 独りでもカレーが繋ぐ人の縁 萬萬亭の500円カレー
  小瀬田「萬萬亭」