屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島カレー事情 第90回 一湊 なっちゃん食堂と 永田 Sea & Sun 多様性が島の命

拝啓

島のカレーを紹介する『屋久島カレー事情』にも一区切りをと、

向かった先は日頃足を向けることの少ない島の北部。

まずは、

屋久島丼紀行第57回(最終回)屋久島最北端の親子丼」でご案内した、

一湊のなっちゃん食堂

お店の奥には、ド~ンと大きな招き猫。

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脇にも三匹並んでお客様をお出迎え。

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おもむろにメニューを確認して、

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カレーライスを(追加)注文。

開業10周年、30周年の飾り物やら地域の出来事が掲載された新聞の切り抜き、幾枚もののサインが記された色紙に溢れた店内に身を置き、

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待てば、思い描いたとおりのカレー登場。

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お冷のグラスにスプーンがつっ立っていないところを除けば、

まさに平成をはるかに越えた昭和のカレーライス。

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ひと匙口に入れると懐かしいカレー粉の香り。

そして微かに和風出汁の風味も。

一湊だけにさば節か?と勘繰るも、それとは違うある種の懐かしさ。

「和風の香りはさば節ですか?」と問えば、

「だしの素をちょっと」とのお答え。

その気取らなさに敬礼。

 

次に向かったのは北緯30°24′72″、東経130°26′26″。

スパイシーなカレーが頂ける島最北端のカフェ、永田の「Sea & Sun」さん。

「Open」の標識を確認して急こう配の坂道を上がり、

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遠く口永良部の霞む店内に入り、

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メニューを確認。

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メニューに載っているグリーンカレー以外に、今日はキーマカレーもあるとのことなので、これもご縁とキーマを注文。

しばし待つ間に、店内巡回。

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その其処此処に、なっちゃん食堂とはまた異なる、ネコ大勢のお出迎え。

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写真中央の石の雌猫さんは、なにやら一湊の恵比寿様とお友達のよう。

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で、やって参りましたキーマカレー

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盛りっ盛りのサラダと、カレーのど真ん中に鎮座する卵のインパクト大。

赤インゲン豆やらヒヨコ豆やら、サラダの触感を楽しんだ後、

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まずは皿の端からひと匙掬えば、ゆるゆる広がる優しいスパイスの香り。

おもむろにトンロリ卵をグチャーッと混ぜて、

卵と玄米の微妙な協奏に舌を委ねつつ、キーマカレーをハフハフと。

後から来られた観光のお客様も、随分とご満足なご様子で完食。

で、

こちらは屋久島商工会発行の「しょこパン商品券」が使えることを思い出し、

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+200円で深煎りコーヒーを追加していただくことに。

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ママさんと世間話をする中で、

コロナの影響深まり往く、島の飲食関連のお店の深刻さを再認識。

ご高齢者の多い永田では、お店を開けることもはばかられ、

じゃらい亭 さんも休業中。

ひとりしずかさんも大阪との行き来ができず長期休業。

理具庵さんは閉店されたご様子だとのこと。

 See & Sunさんもまた、1月4日から2月末まで休業されるとのこと。

また、

宮之浦にある姉妹店の「海蔵's(seaglass)」さんは、

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屋久島の繁華街に夜カフェ チャージフリーで気軽な夜のひとときを - 屋久島経済新聞 (keizai.biz)

夜の営業を控えつつ、お昼の営業は別の方に委ねているそう。

カレーはSee & Sunとはまた別物だそうなので、何時の日かそのカレーを頂こうと。

 

小雨にけぶる東シナ海硫黄島などチラ見して、

屋久島の魅力は、

懐かしいなっちゃんの味と芳しいSee & Sunの味わいの両方が共存してこそ、

島の未来を守る要は「人と自然の多様性」と心に留めつつ、

六角堂へとちんたらボチボチ。

敬具

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