拝啓
怒涛のGW明け、所用で鹿児島市内に。
屋久島の一湊海水浴場でもオープンウォータースイミングが催される
2020年の鹿児島国体に向けてか、
区画整理工事やビルの建て替えに加え、
そこここに目立つテナント募集や貸店舗の看板。
そんな市内の飲食店を巡ると新たな発見がいくつも……
夜の天文館の居酒屋「くろ屋」では
ダチョウ肉のメニューが。
高タンパク低脂肪のダチョウ肉については20年ほど前から注目していて
ダチョウを飼育しダチョウカレーを作ろうと目論んだことも。
あまり知られていませんが鹿児島県にはダチョウ農園6か所が加盟する
鹿児島県オーストリッチ事業協同組合があり、
その中核が鹿屋市高牧町の鹿野オーストリッチ農場。
特産品として軌道に乗れば利益もそれなりに見込めるはず
屋久島でも耕作放棄地や町営牧場でダチョウを飼育する事業が始められれば、
食品加工にとどまらず……
鹿革に次いでのオーストリッチの皮革工芸品の可能性も。
左のハンドバッグは84,000円・右の靴は126,000円
どこかでデザートをと、元祖シロクマの「天文館むじゃき」に向かうと
こんなワッフルにはヤギのシェーブルチーズ添えが合いそうだと。
かつてヤギを飼育しチーズを作ろうと京都のヤギ牧場で作業を手伝ったことも……
翌朝、中央駅付近を散策するとアミュプラザ1Fには
4月26日にオープンしたばかりの
抹茶やほうじ茶を使用したドリンクやスイーツ、緑茶主体のカフェ
「ナナズグリーンティー」が若い女性で結構な賑わい。
無農薬有機農法の茶園もある屋久島。
気楽に入れる畳敷きの茶室を備えたスペースも作り
島を挙げて、もっと特産品のお茶を使ったメニューを開発できればと……
一方、鹿児島名物かるかんの老舗「蒸気屋」の脇のベル通り歩いて行くと
昔ながらの喫茶店が。
「焙譚」とは如何にも昭和のネーミング。
区画整理で潰れてしまった喫茶「MON」さんの面影がよぎり
入った店内はジャズが流れ……
ご主人もお客様も日本を引っ張ってきた団塊の世代の世界。
テーブルにはちゃんと灰皿も置かれ、
頂いた自家焙煎の珈琲には軽羹のおまけも。
ゆったりカップを口に運べば、壁掛け時計から「アメイジンググレース」の音色が。
お店を出て、さらにベル通りを進んだアーケードの先に
今回お目当てのお店「ヒルハナキ」さんが。
開店と同時に店内に入れば……
設えは完璧居酒屋。
実は「ハナキ」という居酒屋を昼だけ借りて営業している
今流行りの「間借りカフェ」。
それで「ヒルハナキ」。
素敵な笑顔の若いママさんがメニューを持ってきてくださり、
メニュー筆頭チキンカレーを頼むべきか一瞬迷いましたが……
ここはやはり鹿児島ではめったに頂けない
キーマカレーwithピクルス&アイスコーヒーに。
如何にも今風の若いマスターが、注文を受けてからフライパンで肉を炒め始め、
待つことしばし……
まずはピクルスの登場
酸味はほとんどなく、うっすら塩味の優しいお味。
そしていよいよ……ほ~~、挽肉じゃないんだ。
ちょうどよいサイズにカットされた筍と
細切りポークの触感が相性良く味はマイルドでやや甘みが。
温泉卵をぐじゃぐじゃ混ぜると一層マイルドに。
聞けば鹿児島人の舌に合うよう隠し味に味噌を使っているそうで「辛さ1」。
ちなみに一押しは「辛さ5」のチキンカレー、
30種類のスパイスを組み合わせているガラムカレーには牛筋と牛ほほ肉を使い、
ランチでガッツリいけるよう食べ応えに工夫しているとのこと。
食後に出されたアイスコーヒーグイっと一飲み
次回はチキンカレーを頂こうかと。
いつまでも残っていてほしい老舗、元気に育ってほしい若いお店。
日々変わりゆく鹿児島で、それぞれのご繁盛を。
敬具
屋久島カレー事情インデックス
第75回 平静でいられぬ特大カツカレー
横峯 「のどか」カレーライス特大カツ
第74回 ラーメンの脇にほころぶカレーかな
安房 「日高屋」日高屋カレー
安房 「万福」 カレーライス
第73回 島外編 胃袋を掴み舌に刻み込め
鹿児島中央駅西口 「匠」 黒豚バラカツカレー
トカラ列島宝島 島バナナカレー(レトルト)
徳之島 地 福咖喱(レトルト)
徳之島 地 福咖喱(レトルト)
第72回 タンカンの揺れる畑にカレー咲く
原 「冬季限定 nicoichi食堂」 ピリ辛チキンカレー
第71回 平成の終わりに昭和を食らいけり
原 「木村珈琲」 黒毛和牛のすじ肉カレーライス
第70回 香り立つうまし島ぞとあきもせず
小瀬田 「ひよりや」
麦生 「ティールーム トローキ」
第69回 ココナツの花咲きにけりカレー皿
平内 「naa yuu cafe」ココナッツチキンカレー
第68回 台風に勝てるものかはカツカレー
宮之浦 「屋久島ふるさと市場 島の恵み館」
第67回 持つものを活かし味わう恵比須顔
宮之浦 「カフェギャラリー 百水」
第66回 神山を愛でる花火に幸願う
宮之浦 「こむぎこ」
第65回 縄文の暮らし偲ばん筍の旬
横峯 「のどか」
第64回 やまがらのかれいなるひぞ梅雨の入り
宮之浦 「やまがら屋」
第63回 歳月の深めしことばあじわえり
原 「ノマドカフェ」
安房 「umi cafe」※2018年閉店
第61回 春雨に閉じて開いて萌える山
安房 「喫茶ケルン」※2018年閉店
第60回 猫舌に優しきごはん冬の海
安房 「Warung Karang」
第59回 森に虹魚介香し島カレー
宮之浦「浜焼き 悠楽」
第58回 あざなえる縄の目の間のカレーかな
鹿児島市内
「田中屋」
「鹿児島市立病院レストランだんらん」
安房 「ちーぞー」
第57回 梅雨空のひょうたん島を臨むチャイ
永田 「sea & sun」
第56回 薫る風命育む薬の島
原 「食堂 もっちょむ山荘」※2017年閉店
第55回 宮参るカレーひと匙厄払い
宮之浦「宮カフェ」
第54回 しぶとさの秘訣は迷わぬ自然体
一湊 「なっちゃん食堂」
第53回 春陽の海を越えゆく森カレー
小瀬田「moricafe STAND」
第52回 冬籠るカフェの新たな春待たん 今年最後の豆腐カレー
原 「ノマドカフェ」
第51回 勤労の香りぞ高き島カレー 夏には夏の冬には冬の味わいを
安房 「山カフェ」※2018年閉店
第50回 島の濃き緑染み入るカフェカレー 最北のカレー
永田 「水照玉」
第49回 段々の青き棚田に福来れ 爽やかな女将さんの前途を祝して
椨川 「たぶ川」※楠川へ移転
第48回 島に居て上機嫌なる腹の虫 一食の価値あるアートカレー
麦生 「DAVIS」
第47回 夏雲の島に生まれし海カレー 根っからの島民による全国民のためのカレー
宮之浦「やくしま食堂」※2018年1月閉店
第46回 赤き子の島に生まれし雨後の昼 和洋の狭間に知るカレーの深み
安房 武田館キッチンハウス「かたぎりさん」
第45回 物騒な世を鎮めるや島カレー 明日に向かって撃て
原 「ノマドカフェ」
第44回 年の瀬に飛び立ちて行く背や丸し EBI Fly to the distance
安房 「田中屋」
第43回 和も洋も隔てなきなり島カレー 受けて立った宮之浦の戦い
宮之浦「雲水」
第42回 春牧に昇る旭日を拝みけり 笑顔は究極のスパイスなり
春牧 「喜楽里」
第41回 軒先の雫気にせずカレー買う 県道脇のコンテナで作るオヤジに買うオヤジ
小瀬田 「モリカフェ」
第40回 新月に隠れてうさぎカレー食い カレーが地球を回している
麦生 「DAVIS」
第39回 人の世を写して流る秋の雲 ブタにも「六」がありました
安房 「ポルコ」※2017年11月閉店
安房 「Amara」 ※2016年閉店
第36回 あきもせず くるりくるりの島時間 港に香るカレーの風味
宮之浦 「雪苔屋」※2018年5月閉店→永久保に移転
第35回 島に逃げ極楽とんぼの島カレー 南の村の豆カレー
平内 「サウスビレッジ」※2015年閉店
第34回 透き通る海を背中に浜カレー 浜辺でスパイシー
一湊海水浴場 「カレー専門店 屋久島カレー グロース」
第33回 梅雨明けを手土産に来い11号 ここは南国
安房 「ジャングル・キッチン近未来」 ※2018年閉店
第32回 どこにでもあれどどこにもないカレー どこでもカレー
楠川 「楠川ふれあいセンターじょんこう茶屋」
第31回 梅雨空に割りてすがしきカレーパン モーニングカレーパン
尾之間「ペイタ」
第30回 海山にガッツリカレー連れテイク ガッツリ登山弁当カレー
安房 「かもがわ」
第29回 台風も賑わうアジアの交差点 パワーアップして帰ってきたAmara
安房 「新Amara 南国酒場」※2016年閉店
第28回 屋久島にアジアの緑風巡り来る 京都からやってきたアジアンカレー
安房 「かもがわ」
第29回 台風も賑わうアジアの交差点 パワーアップして帰ってきたAmara
安房 「新Amara 南国酒場」※2016年閉店
第28回 屋久島にアジアの緑風巡り来る 京都からやってきたアジアンカレー
尾之間 「バリスタイル レストラン&バー Warung Karang」 ※2017年6月より休業→安房へ移転
第27回 ラーメンをスープにさらう島カレー ラーメン屋のカレー定食
宮之浦 「王龍(ワンロン)」 ※2016年閉店
第26回 脇役のカレー目当てに蕎麦すする カレーやってます
尾之間 「手打ちそば屋」※2016年閉店
宮之浦 「王龍(ワンロン)」 ※2016年閉店
第26回 脇役のカレー目当てに蕎麦すする カレーやってます
尾之間 「手打ちそば屋」※2016年閉店
第25回 春雨に煙る木立のカツカレー 縄文登山のカレー
第23回 県道に萌え出づる春カレーあり 年季の入ったかわいい系喫茶店
小瀬田「花鈴」
※ 番号の重複をご容赦ください
第21回