屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島カレー事情 第55回 宮参るカレーひと匙厄払い

拝啓

観光のお客様や移住希望者の方の多くは屋久島を「悠久の時を抱いた森の島、スピリチュアルな魅力に満ちた癒しの島」といったイメージでとらえていらっしゃる方が多いようですがそれは一面、そのもう一面は仕事を求めて若者が島を離れる高齢者の島であり、梅雨ともなればすべてが“カビル・サビル・クサル”ハードな気候と折り合いを付けて暮らさねばならぬ過酷な島でもあります。

島を出た若者たちのことを「島には仕事がないから仕方がない……」と呟くお年寄りの声を何度聞いたことか。しかし、その一方で北は北海道、南は沖縄、西はフランス東はカナダから屋久島に移住してくる老若男女が絶えないのも事実。

そんな屋久島から世界制覇を目指すカレーがmori Caféの「フルーティーでスパイシー」な島カレー。今回は、それを受け継いだ宮之浦「宮かふぇ」のテイクアウトカレーをご案内。

前回は定休日の空振りでしたが今日はちゃんと暖簾も揺れるOpen!

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暖簾をくぐれば招き猫やらお多福さんやらが笑顔で迎えてくれて

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これはご縁の六角ケースに入ったお手玉まである民芸調。

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人気のメニューは何かと女将さんに尋ねれば、テリヤキが一番だとか。

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そこで「テリヤキチキンチキンカレー」「テリヤキチキンバーガー」に加えて二番人気の「豚しょうがバーガー」を注文。

待つことしばしの間に気さくな女将さんの話を伺えば、mori cafe STAND のおやじさん(社長)は昨日(4/7)大阪に大きな店をOpenしたところで、何と香港にも店を持っているとのこと。宮之浦高校で講演までしていると聞けば何やら楽しくなって来て、待っている時間も退屈せずに……頂いたテイクアウトカレーを向かいの公園のベンチで早速いただきました。

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カレーに高菜漬けが添えられているのがローカルフード風でうれしい。

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カレーの味はmori cafe STANDとほぼ同じ。照り焼きは思いのほかジューシーでしつこくない甘さ。ハンバーガーは知人の所に持って帰って食べることに。

包みを開けてみれば……オーブントースターで温めたバンズの皮が焦げているところはご愛敬。

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中身が見えるよう半分に切ってみると

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左が「豚しょうがバーガー」で右が「テリヤキチキンバーガー」。豚もチキンも島好みの甘さ、たっぷりのシャキシャキレタスが食べ応えを増し満腹感一杯。バンズの温め方と焼き方を改善すれば某バーガーチェーンにも負けない味とボリュームでした。

島味mori curry がいつの日か、タイやインドやイギリスで大衆食となる日の来ることをお祈り申し上げつつ、ご馳走様でした。

敬具



これまで紹介した「屋久島カレー事情」インデックス

  一湊  「なっちゃん食堂」
  小瀬田 「mori cafe STAND」
  原 「ノマドカフェ」
  安房  「山カフェ 」
第50回 島の濃き緑染み入るカフェカレー  最北のカレー
  永田 「水照玉」
第49回 段々の青き棚田に福来れ  爽やかな女将さんの前途を祝して
  椨川 「たぶ川」
第48回 島に居て上機嫌なる腹の虫   一食の価値あるアートカレー
  麦生「DAVIS」
第47回 夏雲の島に生まれし海カレー 根っからの島民による全国民のためのカレー
  宮之浦 「やくしま食堂」
第46赤き子の島に生まれし雨後の昼 和洋の狭間に知るカレーの深み
  安房 武田館キッチンハウス「かたぎり」
第45回 物騒な世を鎮めるや島カレー 明日に向かって撃て
  原 「ノマドカフェ」
第44回 年の瀬に飛び立ちて行く背や丸し  EBI Fly to the distance
 安房 「田中屋」
第43回 和も洋も隔てなきなり島カレー 受けて立った宮之浦の戦い
 宮之浦「雲水」
第42回 春牧に昇る旭日を拝みけり 笑顔は究極のスパイスなり
 春牧「喜楽里」
第41回 軒先の雫気にせずカレー買う 県道脇のコンテナで作るオヤジに買うオヤジ
 小瀬田 「モリカフェ」
第40回 新月に隠れてうさぎカレー食い カレーが地球を回している
 麦生「DAVIS」
第39回 人の世を写して流る秋の雲 ブタにも「六」がありました
 安房「ポルコ」
第38回 春にまた戻る日を待つ渡り鳥 また来ってこいよ南国Amara
 安房「Amara」 ※2016年閉店
第37回 神代より天下りたり愛の秋 姉弟そろって豆カレー
 平内 「アイノワレストラン」(サウスビレッジ内) ※2015年閉店

第36回 あきもせず くるりくるりの島時間 港に香るカレーの風味
 宮之浦「雪苔屋」
第35回 島に逃げ極楽とんぼの島カレー 南の村の豆カレー
 平内 「サウスビレッジ」※2015年閉店
第34回 透き通る海を背中に浜カレー 浜辺でスパイシー
 一湊海水浴場 「カレー専門店 屋久島カレー グロース」
 安房 「ジャングル・キッチン 近未来」
 楠川 「楠川ふれあいセンター じょんこう茶屋」
第31回 梅雨空に割りてすがしきカレーパン モーニングカレーパン
 尾之間 「ペイタ」
第30回 海山にガッツリカレー連れテイク ガッツリ登山弁当カレー
 安房 「かもがわ」
第29回 台風も賑わうアジアの交差点 パワーアップして帰ってきたAmara
 安房 「新Amara 南国酒場」※2016年閉店
第28回 屋久島にアジアの緑風巡り来る 京都からやってきたアジアンカレー
 尾之間「バリスタイル レストラン&バー Warung Karang(ワルンカラン )
第27回 ラーメンをスープにさらう島カレー ラーメン屋のカレー定食
 宮之浦 「王龍(ワンロン)」
第26回 脇役のカレー目当てに蕎麦すする カレーやってます
 尾之間 「手打ちそば屋」※2016年閉店
第25回 春雨に煙る木立のカツカレー 縄文登山のカレー
  安房「杉の茶屋」
第24回 春の午後カレーも香り桜咲く 新しい春のカレー
  尾之間 お食事処「春」(リニューアル店) ※2016年休店
第23回 県道に萌え出づる春カレーあり 年季の入ったかわいい系喫茶店
  小瀬田「花鈴」
第22回 花咲ける島のカレーに恵比須顔 島に溢れるなんでもありの多様性
  安房「屋久どん」
第21回  雲間より漏れ出づる陽のカレーかな 輝くカレー
  安房「島・しまキッチン」 ※2015年閉店

※ 番号の重複をご容赦ください

第21回  対岸に香れるカレー求めけり 海を渡って
  鹿児島市 チチビスコ、スリランカ かごしま
第20回 どんぶりに残せる鹿よ悪しからず たしかにしか
  宮之浦「カフェ・ヒトメクリ」
第19回  寒中の陽だまりすくう金曜日 金曜はカレーの日
  宮之浦「陽だまり」
第18回  小寒の温かなるビーフカレー 家路
  安房「和が家」
第17回  新年のカレーで初心立ち返る 求めるものは店それぞれに
  宮之浦「洋食の寺田屋」
第16回  冬空に一人向かいてカツカレー カァッツ!
  小瀬田「愛子亭」 ※2015年閉店
  春牧「ふれあい」
第15回  幻のカレーやいずこ天狼星 ここは屋久島
  安房「萬来軒」 ※2016年閉店
第14回  冬の海眺めてカレー食らう午後 海の見えるカレー
  宮之浦「Bay's Caf'e Jane」
  安房「和茶灯(わさび)」
第13回 食べることそれは生のあかしなり 木枯らしの吹き荒れる海ボンカレー
  陳列棚のカレー 2
第12回 穏やかな秋のバザーにカレーあり マイルドバザーカレー
  安房「すみれ幼稚園」
第11回  カレーには味も値段も決まりなし あっぱれなカレー
  原「ノマドカフェ」
  尾之間「モッチョムビュー トーン」 
  安房「田中屋」
第10回  一皿に カレーの美学 香り立ち アートなカレー
  麦生「屋久島ヴィータキッチン」
  原「屋久島 ノマド カフェ」
第9回  賭け事は性に合わぬとシカトする 玄関口のカレー
  小瀬田「エアポートやくしま」
  宮之浦「観光センター」
第8回 おいどんにカレーうどんは似合わぬか Aコープのカレーうどん
  陳列棚のカレー
第7回  南蛮の香り受け継ぐカレー蕎麦 熊毛郡ゆかりの南蛮蕎麦
  宮之浦「楓庵」
  安房「きらんくや」
第6回  カレーから立ち現れし店の主 レストランのカレー
  安房「ファミリーレストランかもがわ」
  安房「サンパウロ」
  原「オリオン」
  安房「よろん坂」
  尾之間「トーン」
第5回  カレー屋と聞けば目覚める腹の虫 カレー専門店
  小瀬田「屋久島カレー茶房 ハイビスカス」
  宮之浦「カレー専門店 屋久島カレー グロース」
  安房「カレーと多国籍料理の店 Amara」 ※2016年閉店
第4回  手で割って頬張る楽しさカレーパン カレーパン事情
  宮之浦「ひらみ屋」
  安房「ヒロベーカリー」
  安房「しいば」
  尾之間「Pain de Sucre パン・ド・シュクル」
第3回 風を待つ街にカレーの風が吹く 「本格」「印度風」ばやり
  島外のカレー
第2回 一皿の命の旨味有難し 樹林のオーロラカレー
  小瀬田「樹林」
第1回 独りでもカレーが繋ぐ人の縁 萬萬亭の500円カレー
  小瀬田「萬萬亭」