屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

千年を一代と成す杉の春

拝啓

今週は比較的穏やかな日が続いている屋久島麦生。川沿いの木々の樹幹も新緑がこんもりしてきました。

昨日26日はH2Aロケットの打ち上げ日だったので、いつも通り安房のカヤック屋サウスアイランド(http://www.south8940.com/)さんのプライベートビーチに出かけようと思っていたのですが、コテージの清掃をしているうちに10時過ぎ。打ち上げ時間に間に合わないと諦めかけましたが、「麦生漁港からも見える」という噂を信じて車を走らせること3分。

到着まもなく種子島から赤い噴煙が。

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白い雲を引き出しながらぐいぐいロケットは昇っていきました。

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載せているのは自衛隊の「情報収集衛星」。世界の目から見れば軍の偵察衛星です。駆逐艦や航空母艦を「護衛艦」と呼び、かつては攻撃機を「支援戦闘機」と呼んできた日本。「八紘一宇」などという戦時スローガンが復古する昨今。外国から見れば立派な軍隊である「自衛隊」も近い将来、国防軍となどと呼び換えられるかも知れません。そうさせるかどうかは、この島国に暮らす大人の意思にかかっていることだけは間違いありません。

青い空に吸い込まれていくロケットを眺めつつ、科学技術の進歩が人類の平和と繁栄ではなく、破壊と殺戮の役に立ってきた歴史を思い起こすことも大切なことかもしれません。

そんな思いもあって、午後からはヤクスギランドの散策へ。

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ヤクスギランド80分コースの吊り橋より

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淀川登山口近くの県道脇、樹齢2000年の紀元杉

透き通った緑色の渓流や樹齢千年を超える樹々が、「おまえら、いったいなにせこせこしとんねん」と声を掛けてくれたようにも思われました。

大きな自然の営みの中で暮らすささやかな屋久島暮らし。六角堂を気に留めて下さる方々から、海の幸や里の幸を折々に分けてくださいます。

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アワビの仲間のトコブシ

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実エンドウ

そんな一日の締めくくりは、頂いた恵みの晩御飯。

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トコブシの酒蒸しバター炒め、エンドウのオーブントースター焼き、新ジャガイモの春巻サモサ、
とれたてのセロリそのまんま、六角堂オリジナルピクルス

頂いた命と、御心遣いを下さった方々に感謝。

敬具