屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島版『オムライスの秘密 メロンパンの謎』島のオムライス 前編 mori cafe ・AQUA

拝啓
6月2日は「0オ6ム0レ2ツ」でオムレツの日なのだとか。

そして11月5日は「1イ1イ0タマ5ゴ」でオムライスの日なのだそうで。

【柳川市】11月5日は「オムライスの日」! 歴史情緒あふれる洋食屋さんでモダンなオムライスはいかが♪(山本旅水堂) - エキスパート

 

このオムライス、澁川祐子著『オムライスの秘密 メロンパンの謎』によれば日本の洋食屋の三大ライス(カレーライス+ハヤシライス+オムライス)の一つ。
 
そのうち半熟卵を載せて切るふわトロタイプをブレイクさせたのが、1985年に公開された伊丹十三監督の映画『たんぽぽ



このラーメン映画の中でホームレスの男が作るふわトロオムライスを記憶に留める方も多いかと。
 
では、屋久島のオムライスはどんなんか?と
オムライス探求の旅をいつものように北から時計回りにご紹介しようかと思うのですが……
島の北部、宮之浦ハンバーガーと共にオムライスが売りだった寺田屋さんは、もう何年も前から臨時休業の札が掛かったまま。

駐車場にはいつも工事関係車両が止まり、廃屋になりつつある寺田屋さんの悲哀。
 
また宮之浦グリーングラスさんに7年前にはあったオムライスが、昨秋伺った時にはメニューから消えておりました。

聞けば、メニューから外したのは調理に時間が掛かってお客様を待たせてしまうからとのこと。
 
そこで2025年6月現在、島の最北のオムライスは長峰のオムライスということになるのかと。
※ いやいやあそこに行けばあるよという情報をご存じの方ご教示くださいませ。
 
Ⅰ.長峰「mori cafe stand」 さんのオムライス

メニュー最上段の「一番人気」と書かれているのがオムカレー

ミニスイーツが付いているのが嬉しい。

ご飯はカレーに合う屋久島産ターメリックライス。
 
一方、スタンダードなオムライスは、日替わり?で掛かっているソースが変化。

言われた通り尋ねれば、「今日はデミグラスソースです!」のお答え。

両サイドに流れ落ちるキノコたっぷりのソース。

ご飯はケチャップやトマトピューレなどを混ぜ合わせたオリジナル調味料で味付け。

聞けばマイコオーナーはキノコに興味津々なのだとか。「六角堂にキノコ関連蔵書はないか」と尋ねられたので、「絵本でよければ」と翌日お貸ししました。

屋久島には、約600種類のコケが生息しており、日本に存在する約1600種類の苔の中で非常に多様性があると言われ、全国から多くの研究者がやって参ります。
Wikipediaさんによれば、狭義のコケは苔類などの総称としてコケ植物を指すが、それに加え菌類と藻類の共生体である「地衣類」などが含まれる生物なのだとか。
 
しかしコケ以上に島民にとって親しみ深い?ものがカビ
また島には自然な食材を求めて味噌や麹を手作りし、コウボとも仲良く暮らしている方々も。
実はキノコもカビもコウボも植物ではなく菌類
島で生まれ育った若者が菌類の研究者を目指し、やがては南方熊楠(みなかたくまぐす)
のような世界的な生物学者に育ってくれたらと夢見るのも良いかと。
キノコ(菌類)の研究ができる大学は全国各地に。

菌類の研究ができる大学・大学院一覧 | 一般社団法人 日本菌学会 - The Mycological Society of Japan

なかでも筑波大学

www.life.tsukuba.ac.jp

鳥取大学は面白そう。

 

fungusdb.muses.tottori-u.ac.jp

キノコたっぷりオムライスがそうした夢を抱く少年の力の源になれば幸い。

 
Ⅱ.長峰「AQUA CAFE」さんのオムライス
 

アクアさんのメニューはハンバーグとオムライスとパスタが柱。

ハンバーグについてはこのブログ記事でもご紹介済み。

6kakudo-tegami.hatenablog.com

 

今回は三種類のオムライスの中からベーコンオムライスを頂くことに。

いわゆるふわトロ系オムライス。

しっかりベーコンを味わえる良心的な一品でした。
 
この長峰には2008年に開業されたオムライス専門店「モンステラさんがありましたが、2015年に惜しまれつつ廃業。

6kakudo-tegami.hatenablog.com

その後、ハワイアンなモーニング喫茶「ラ♡モンステラさんになっておりましたが、それも昨年2024年末に閉店。

お店は別の方の手に渡ったそうですが、何のお店にもならず寂しい限り。

 

そこから南下した船行SLOWさんは、パスタ屋さんに特化してオムライスは消滅。

 

そこでオムライスの旅の後編では、安房以南のオムライスをご案内させて頂くことに。

 

つづく