拝啓
屋久島のハンバーグ探訪の旅をやり終え、はてさて今日は何を食べたら良いのかしらんと思って安房に向かうと、目当てのお店は本日休店。
そこではッと思いついたのが、麵屋りんたろうさんの駐車場に翻っていた幟。
ラーメン屋に縄文牛とはどんな仕掛けになっているのか気になっておりました。
そもそも『縄文牛』は「やくしまリファイン」さんのブランド。
経産牛(子牛を産み終えて廃用処分されるはずだったお母さん牛)に、屋久島の副産物(焼酎・柑橘系飲料の搾り粕など)から作った発酵飼料をオリジナル配合した飼料を6か月間与えて育てた“屋久島初”のブランド牛。
それをどんなんに⁈と興味が湧いて入店。
今までのメニューはほぼすべて値上げされておりましたが、
そのメニューシートには縄文牛の姿がないので、
「表の幟の縄文牛ってどうなってるの?」と伺えば、
「こちらです」と渡された別刷りシート。
その一枚に『希少屋久島限定縄文牛ラーメン』のシートが。
2,100円にビビりつつも、「甘いのこれ?」と伺えば、前には見かけなかった若い女性のスタッフさんが「すみません、食べたことないんです♡」と。
そこにやってきたオーナー店長さん曰く「甘めです。スープは他のラーメンと全く違った特製です」とのこと。
シートの角に張り付けられていたお値段低めの「縄文牛の黒糖煮ラーメン」1,980円にしとこうかと心揺らぎましたが、ここは威勢よく「縄文ラーメンお願いします」。
その言葉に店内の他のお客様の何名かがピクッと反応。
静々と登場したラーメンの器はシンプルな白。
その中央に盛られた白ネギの陰から透ける縄文牛。
黄金色の澄んだスープをレンゲで啜ればなるほど、とんこつや醤油とは全く違う牛の味。
肉を一切れつまんで口に運べば、濃い甘味の奥にしっかりとした牛の味わい。
上手に調理加工された肉はしっとりと柔らかく上質感有り。
湯気の向こうに佇む肉塊をつまむ楽しさは格別。
堪能して完食させて頂きました。
これなら2100円の価値は十分ある!
と納得満足されるラーメン通の方やラーメンが代表的な日本食だと信じているインバウンドのお客様もいらっしゃるかと。
ただ島で暮らすラーメン好きの方が週1~2でこれを食べられるかというと……
そこで思い出したのが大阪万博の2000円ラーメンの話題。
麵屋りんたろうさんも大阪万博に殴り込みを掛けられたらよかったのにと思う次第。
六角堂への帰り道、ふんわり体に纏った縄文牛の残り香に何やら懐かしい思い出が蘇って参りました。
それはこれ。
夜な夜なロシア産のウオッカストロワヤを寝酒にしていた若かりし頃、
一番贅沢なつまみだったのがこの牛肉の大和煮の缶詰。
その風味や触感と深く通じるものがある縄文牛でした。
「やくしまリファイン」さんの『縄文牛』と共に、
先日のブログ記事でご紹介した西橋産業さんのブランド牛、
それぞれの特徴を生かして世界に打って出て頂ければ幸いです。
敬具
追伸
屋久島の畜産にご興味をお持ちの方には次のサイト記事もご参考になるかと。