拝啓
六角堂の紫陽花が少しずつ開き始めた5月。
とあることをきっかけに島のハンバーグを探訪することに。
事の始まりは平内の「焼肉にしばし」さんの安房二号店。
3月に予定されていたオープンの兆しが全く見えず、どないなってんのやとInstagramをポチってみれば「日替わりランチの黒毛和牛100%ハンバーグ定食」のお知らせ。
https://www.instagram.com/nishibashisangyou/?hl=ja
どんな具合かと直接聞こうとお店に伺えば、なんと臨時休業中。
日を改めてと思っていた最中、
ハンバーグが売りの尾之間の『BonKlard』さんがお身内の関係でしばらくお店を閉められ、安房の『サンパウロ』さんのお手伝いをすることになったとの知らせ。
お見舞いを兼ねてサンパウロさんでBonKlardさんのハンバーグを頂きに上がることに。
サラダ用のドレッシングはサンパウロさんのものですが、
ハンバーグの仕立てや盛り付けや小鉢はボンクラード流に一新。
舌が喜ぶ食感に満足。
サンパウロさんの繁盛とボンクラードさんの復活を願って止みません。
その数日後、西橋さんに伺うと未だ休業中。
そこで代わりに伺ったのが、
その週の週替わりランチがたまたまハンバーグだった麦生の『おうちごはんオアシス』さん。
https://www.instagram.com/ouchigohan_oashisu/?hl=ja
付け合わせが如何にもオアシスさん風。
待った甲斐のある優しいお味のハンバーグにご馳走様でした。
ちなみにこの日のデザートのタンカンゼリーはプルンプルン。
さて、年内に再びオアシスハンバーグを頂ける週はあるのかどうか?
次回は島の南のハンバーグを引き続きご案内いたしますが、
このシリーズの初回にあたっで押さえておきたいのはハンバーグの由緒。
日本ハンバーグ協会のサイトに『世界のハンバーグ史のはじまり』という記事がありますので、ご興味があればそちらをご覧頂ければと。
かいつまめば、ハンバーグの“祖先”はタルタルステーキ。
タルタルとは中央アジア(現在のロシアやモンゴルの辺り)のタタール族が由来。
馬で移動していた彼らは乗り潰した馬を食料にする際、筋張って固い馬肉を馬の鞍の下に敷き、乗り手の重さで押し潰した肉を細かく切り叩く生肉料理を開発。
さらに自生している玉ねぎやチャービルなどの香草を混ぜ込んで肉の臭みを消す工夫をしていたとのこと。
やがて牛肉のタルタルを焼いて食べる料理が生み出され、安価な硬い肉しか手に入らない労働者階級が肉を水増しするためのジャガイモや米を練り込むなどの工夫して生み出した料理が現在のハンバーグの元祖なのだとか。
そうした由緒を尊重すれば「フワフワトロトロ」「テリテリアマアマ」よりも、粗引きでしっかりとした舌触り歯触りがあり、肉と合うスパイスの香りが鼻をくすぐるハンバーグをこそ食べたくなるもの。
♪食え万国の労働者 ♪と歌いながらナイフとフォークで頂ければ幸いです。
つづく