屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島あんぱん巡礼 第一回 島で最古と最新のあんぱん

拝啓

この半年、ちんたらブックカフェのお知らせに終始していたこのブログ。

巡る季節の中で少しは島の様子もと。

そんな思いを掻き立ててくれたのはこの春始まったやませたかし夫妻をモデルにしたNHKの朝ドラ『あんぱん』

その何回目かで、主人公の叔父の台詞が「いきているから悲しいんだ」。

それを聞いてまず思い起こしたのが1993年に上映された映画『僕らはみんな生きている』

真田広之山崎努岸部一徳らが架空の国タルキスタンを舞台に繰り広げる痛快アクション映画。

その壮絶なラストシーンで歌われていたのが、いずみたく作曲やなせたかし作詞の『手のひらを太陽に』

1962年にNHKの「みんなのうた」で放映され、1969年に小学校6年の音楽の教科書に収められた国民的歌謡曲

1958年生まれの私が11歳の時などで、授業で接したのかも。

何やら心がめげた折などに、メロディと歌詞が頭の中にふっと湧き起こり思わず天に手をかざしてしまいます。

 

今回の朝ドラ『あんぱん』のテーマの一つは「逆転しない正義=飢えたるものを満たすことこそ正義」なのだとか。

 

飽食の世の傍らに存在する様々な貧困。

衣食足りても満ち足りぬ空虚さ。

 

それを島の暮らしの中で見つめ直そうとこの一週間、島にある9軒の自家製パン屋さんのあんぱんとの出会いを求めた「あんぱん巡礼」を思い立ったのです。

※宮之浦の『LINNABAKERY』さんは現在店舗営業はされておらず、あんぱんを扱っているのかも不明なので今回はご紹介できませんでした。

LINNABAKERY

※麦生の『石窯パン工房 樹の実』さんは休業?廃業?ホームページの最終更新は2019年で止まったままでGoogleMAPでは『民宿樹の実』と表示。

http://r.goope.jp/kinomi/

※ 湯泊の「ふく福(ぷく)」ぱんさんは休業のご様子なので今回はうかがえませんでした。

https://www.instagram.com/pukupukuchaya?igsh=ZnZ2NDU5Ym5veGE=

 

前置きが長くなりましたが……

今回のあんパン紹介は島めぐりのお役にも立つように、島の北から時計回りでご案内することに。

その一回目はたぶん現存する島の自家製パン屋さんで最古のお店と最新のお店。

 

最古のお店は一湊で1962年創業の『平海製菓』さん。

「ひらみ屋のパン」と印字された袋には二個とも「あんぱん」の表示。

左のゴマ振りパンの隙間から白いクリームのようなものが覗いておりますが

切ってみれば御覧のとおり、左は白あんぱんで右は粒小豆あんぱん。

どこまでも白く柔らかな触感のパンに滋味たっぷりの餡。

イーストの仄かな酸味と相まってほっこりする味わいはあんパンの原点のよう。

きっと朝ドラの「浅田パン」もこのような味なのかもと。

 

ローカル感たっぷりのメロンパンをおまけに。

 

平海製菓さんについては『MBC南日本放送』の2021年9月の記事「屋久島で郷土菓子を作って約60年 83歳夫婦」や

blogs.mbc.co.jp

「ぷかり堂」さんの記事で詳しく伝えられておりますので、よろしければこちらから。

www.pukarido.com

 

二軒目のご案内は宮之浦の港のすぐそば、THE HOTEL YAKUSHIMA(旧シーサイドホテル)のロビーの一角にこの春3月1日にオープンされた『misora bakery』さん。

がらんとしたフロントの横を通り抜けるとカフェの入り口に香ばしそうなパンが。

こんなラインナップにあんぱんあるやろかと思いつつ、ゆるゆる眺め渡すと……

フランスパンに挟まれた「たっぷりつぶあんバター」と「桜あんバター」の二種類。

そして「ベーグル白あん大納言」。

聞けばカフェでイートインもできるそうですが、せっかくなのでテイクアウトできないカレーを頂くことに。

ビーフカレー」ですが牛の姿はない、いわゆるホテル仕様の標準的なカレー。

米高騰の折でかご飯はお子様ランチ並み。

 

六角堂に戻ってパンをお皿に盛ってみると華やかな雰囲気に。

切ればなお。

三種類の中でも桜餡バターの彩と固めのパン皮の触感に新鮮な楽しさを味わうことができて、少々お高めのお値段でしたが満足。

ホテル内のパン屋さんとあって、なかなか島民の足は向きにくいかもしれませんが、

末永く繁盛なさいますように。

詳細はInstagramで。

ミソラベーカリー Instagram  

 

次回は宮之浦で人気のパン屋さん二軒のあんパンをご紹介いたします。