屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

旅のまとめ その③ 特急サザンと特急くろしお 波乱の移動

拝啓

1月11日は神戸から阪神電車大阪難波へ。

そこから南海電車で和歌山まで。

 

結構な時間がかかるので、街の楽しみとして駅の立ち食いそば屋に。

「南海そば」のメニューボードをみて、

ここはまさしく大阪だと実感。

大阪「きつね」といえば油揚げの載ったウドン
「たぬき」は油揚げが載ったソバ
なので大阪にたぬきうどんは存在しません。
 
 ちなみに京都では、
「きつね」は味付けしていない刻み油揚げを載せたウドン
「甘ぎつね」は甘辛く煮た三角形の油揚げを載せたウドン。
「たぬき」は「きつね」にあんを掛けたあんかけウドン

きつねうどんにドロンとしたあんを掛けた=「きつねがドロンと化けてたぬきになった」というのが由来だとか。

知らんけど。

で、結局頂いたのは狐でも狸でもなく、これから梅の産地紀州に向かう旅の情緒を味わおうと、

「梅湯葉あんかけうどん」を。

ふっくらまったりの梅と餡が、立ち食いとは思えないほどの上質。

やっぱり、食い倒れの町は違うもんだと感心。

 

特急券のいらない南海電鉄特急サザンの乗り心地もなかなかのもの。

 

和歌山市駅に降り立ち、

駅から徒歩2分のホテルに向かい、荷物を預けようとすると……

なんということでしょう!

予約日が一か月先の2月11日になっていたことが判明。

おまけにホテルは満室。

今日は一日「和歌の浦巡り」をしようと思っていたのに大誤算。

観光センターに赴いてアドバイスを頂き、

急遽、一気に勝浦まで行くことを決意。

 

で、JRに載ろうと駅の場所を尋ねると……

なんとバスで15分ほども離れた場所なのだと。

思ってもみなかった事実にめげつつJR和歌山駅へ。

 

みどりの窓口特急券を買い求めようとしたところ、

なんと2時間半待ち。

仕方がないのでネットの使えるドトールで時間つぶし。

背中に担いでいたパソコンをバッグから出し、

その夜の宿の予約やら、あれこれ仕事をしていて気付くと発車5分前。

慌ててホームに向かったのですが……

そこには去り行く列車の影も見えず。

 

愕然としながら改札に戻って事情を話すと、

「乗車券は有効ですが、特急券は無効です」との無情なお答え。

次の特急はと聞けば、なんと3時間後。

仕方がないので再度特急券を買い、時間つぶしに今度はタリーズへ。

JR特急くろしお17号に乗ったのは、神戸を出て8時間後。

そして勝浦に到着したのはその3時間後の夜7時過ぎ。

合計11時間をまったくの無駄と考えるか、

行き当たりばったりの旅の面白さと楽しむのかは人生観そのものだと。

 

真っ暗な那智勝浦駅前の商店街を潜り抜け、

とぼとぼ歩いて宿に辿り着き、

向かった先は宿のご主人に教えて頂いたマグロ料理専門店。

お薦めのマグロ定食と

今が旬だという「トロカジキの造り」を頂くことに。

街の景気などをご店主と話す内、

おまけで下さった「マグロのカマの塩焼き」がなんとも香ばしく、舌も鼻も喜びました。

 

宿に戻ってひと風呂浴び、頂いた宿泊支援のクーポンを使ってしまおうと宿の向かいのセブンイレブンへ。

ところが、電子クーポンの使い方がわからず、

コンビニのスタッフも初めてでわからず一緒にオロオロアタフタ。

20分以上すったもんだの末、ようやくアプリを起動して支払い完了。

めでたいのか、なんなのか。

 

神戸から勝浦までの波乱万丈の一日。

創業50年以上という民宿の畳の間、

敷いた布団の脇でパソコンを開き、

トリスのポケット瓶をグビリと口に注ぎつつ、

明日の旅程を思案するのもまた佳し。

宿のご主人の風貌は、

何処となくアンクルトリスに通ずるものがありました。

 

つづく