拝啓
11月9日、突如として現れた「屋久鹿ジビエ王国 古民家レストラン」。
私の知る限り2021年島内17店目の新規開店飲食店。
場所は、屋久島警察署から山手に回って武田産業さんに下る道沿い、
ヒロベーカリーさんのある筋の北寄り。
数年前から開業されていた屋久鹿精肉直売所。
Open前日にとある場所で開店のチラシを頂き、これまたなんと!
QRコードを検索すれば、
屋久鹿ジビエ王国|世界自然遺産の120%ナチュラル「ヤクシカ」ジビエ (yakushima.love)
何が120%なのか⁈試してみねばと。
まずはランチメニューにある「鹿シチュー鍋定食」を頂こうと決意。
開店祝いに押し掛けたお客様の波が引くころ合いを見計らって、
ランチタイムのラストオーダー1:30直前に入店。
差し出されたメニュはまず……おことわりの一枚。
そしてメニューBookを開けば……
一ページ目のお薦め下段になんと、
前日頂いたチラシには載っていなかった「鹿肉カレー」。
心揺さぶられつつも、初志貫徹で「屋久鹿シチュー定食」を注文。
登場したのが、こちら。
何とシチューは鉄鍋に入ってコンロの上に。
火がつけられてクツクツ音を立て始めるシチュー。
みたところ何処にも「鹿」の姿は見えません。
頃合いを見計らってググっと底から掬い上げれば、
鹿の登場!
一口すすれば、ルーは思いのほかすっきりとした味わい。
くどさのない滑らかさが佳し。
肉はホロホロのシットリ。
鼻につく獣臭は一切なく、しっかりと鹿を頂いた気分に。
ただ惜しかったのはニンジン。
せっかくの鹿シチューなのでもう一工夫欲しかった。
それはこれ。
今の若い方々には全く馴染みがないでしょうが、
今でこそゲーム機の大手メーカー任天堂の出発は骨牌屋さん。
ゲームメーカー・任天堂が出来るまで〜花札からファミコンまで(第1回)
そこで作られ続けてきた日本の伝統遊戯「花札」は、
日本の気候風土、精神文化を反映した四季折々の粋な図案。
その10月の札が「鹿と紅葉」。
鹿がそっぽ向いた横顔で10(とう)月の札の図案から、
人を無視する「シカト」と言う隠語の語源にもなった馴染みある札。
奥山に 紅葉(もみじ)踏み分け 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋はかなしき
にもあるように、
鹿と紅葉は切って切れない縁。
それで鹿肉を「もみじ」と呼ぶようになったという説も。
ちなみに、馬肉は「さくら」、イノシシは「ボタン」。
と言う訳で、
せっかく紅葉色をしたニンジン。
紅葉の形で肉と一緒に浮かんでいたならインスタ映え必至。
それと定食とは言え、シチューの付け合わせに汁物はどんなもんかと。
代わりに一口シカ肉コロッケか一口鹿肉ミンチカツがあれば最高。
今後の工夫を期待しております。
で、翌日。
リベンジの「鹿肉カレー」に挑戦。
社長の気遣いで島バナナ付き。
で、鹿は何処にいる?
ググっとよれば……なるほど。
スプーンで口に運べば、フワッとしたシカ肉の旨味と香り。
たしかにそこにしかはいた!
微かなフルーツの甘味と酸味が広がる、何処までも穏やかなカレー。
鹿初挑戦のお子様やジビエ初心者のお口にも合うかと。
鹿可愛い!と西部林道でパシャパシャ写真を撮っている観光のお客様が、
シカによる農作物や森林の被害にも理解を示し、
なおかつその栄養価にも注目していただけるような取り組みも肝要かと。
鹿肉の優れた栄養素と栄養価 -うまい鹿肉- (jibie39.xyz)
近い将来、
大阪道頓堀に視点を出して動く看板で全国の食道楽の注目を惹きつけ
寿司、ラーメン、お前もか!大阪観光名物・道頓堀の巨大看板15選
北海道のエゾシカや全国に拡がるジビエ売り出し中の市町村と結託し、
全国鹿肉料理フェアを定期的に開催していただきたいもの。
できる事なら、
2025年開催の「大阪万博」で
公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 (expo2025.or.jp)
「鹿パビリオン」をぶっ立てて、
大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン(Designing Future Society for Our Lives)」のシンボルパビリオンになっていただければと。
身勝手な妄想が暴走してしまいましたが、
どうぞシカトされませんように。
屋久島にとどまらず、全国各地の農山村の元気向上のためにも、
新しいお店が末永く繁盛なさいますように。
ついでながら、
同じ松峰にある知る人ぞ知るオタク系喫茶、
鹿猟師さんが営む「ハンターショップ ちーぞー」さんの
鹿肉料理「ちーぞーヤクシカ竜田揚げ丼 ブルーセット」や
屋久島丼紀行 第44回 一粒の雨と種にて繁る島 - 屋久島六角堂便り~手紙
「ちーぞーヤクシカスパイシーカレー イエローセット」と
屋久島カレー事情 第58回 あざなえる縄の目の間のカレーかな - 屋久島六角堂便り~手紙
鹿の味わいを食べ比べてみるのも楽しいかと。
敬具