屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島カレー事情 第100回&トッピーサバダバ 第14回 島の未来を拓くフィッシュカレー レトルト4種食べ比べ

拝啓

記念すべき屋久島カレー事情第100回』

その第1回目は屋久島移住3か月後の2014年7月3日。
屋久島カレー事情 第1回 独りでもカレーが繋ぐ人の縁 萬萬亭の500円カレー』でした。

それから7年で第100回。

よく食べかつよく記録したものだと、我が事ながらあきれるばかり。

いや、飽きずによく食べたもの。

100回記念ならば、ここぞと六角堂スパイシーブックカフェ・イートハーブ、

通称ちんたらカフェの新メニューでもご紹介したいところなのですが、

なにせ脇腹の縫い傷がまだしくしく痛む日々。

 

どうしたもんじゃろか、と思っていた矢先、

ご近所さんから「YARIちゃんのトビウオカレー食べた?」との問いかけ。

聞けば、半年ほど前に試食会で頂いたトビウオカレーを改良し、

レトルトカレーとしてすでに発売されたと。

麦生のポンタン館に置いてあるというので、ソワソワ伺えば……

ありました、屋久島フィッシュカレー」。

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なんとまあ、愛らしくもスタイリッシュなパッケージを纏って待っていてくれました。

 

と、その横を見ると、

何年も前から発売されていることは知りつつも頂いたことのなかったイルマーレさんの屋久鹿キーマカレーも。

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こちらは精悍な面持ちのインド風。

 

どちらも1箱1,000円。

ちょっとビビりつつも、両方頂いて食べ比べてみることに。

 

それならついでに、かなり以前からある屋久島森のカレーを再びと、

宮之浦まで足を延ばして観光センター売店をうろうろすれど見当たらず。

レジでどこにあるのか伺えば「需要が少なくって、製造中止になりました」とのお答え。

あの如何にも屋久島らしい味わいを醸し出したパッケージを見ることができないのかと思うと、少しくしんみり。

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ならば、

島の素材を使ったレトルトカレーのお値打ち感を確認するために、

いわゆる市販のカレーも一緒に食べてみようではないかと、

帰り路に寄ったのがドラッグストアモリのカレーコーナー。

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100種類はある各社製品を順にトロトロ。

一番安いのがMIYAJIMAのビーフカレー税込84円。

一番高いのがハウスの麻布十番ビーフカレー税込441円。

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結局選んだのは、

二番目ぐらいに高くて「かごしま」の文字が躍る「かごしま黒豚カレー」税込376円。

 

その後思い立ったのが、

平野のラップサンドやタコライスHIRANO WRAPSさんのベジ商品

こちらは自然食品専門店でもあり、

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オーサワの加工食品も取り揃えていらっしゃって、

その中には各種ベジカレーも。

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どれにしようか迷ったときはいつもの手、

オーナーさんにどれがお薦めかと伺えば「きのこカレーが旨いです」の一声。

お薦めに従い367円の「ベジきのこカレー」を頂いて六角堂に帰る車中、

どんなふうに4種類のカレーを頂こうかとあれこれ思案。

 

その結果がこちら。

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ちんたらcafeではめったに使うことのない3種カレー用のプレートに、

食欲を掻き立てるためバナナの葉を庭から切ってシートにした白ご飯。

脇には自家製ピクルスで彩り添え。

いつものカレーカップを四つ並べてレトルト4種盛カレーの完成!

左下から時計回りで

屋久島フィッシュカレー

屋久鹿キーマカレー

ベジきのこカレー

鹿児島黒豚カレー

魚と野菜と豚に鹿、何というバランスでしょう!

 

ここでびっくりしたことが一つ。

それぞれのカレーの重量は150gから210gまで様々なのに、

いつものカレーカップにみんなちゃんと収まってしまったこと。

 

では、いよいよ実食。

 

まずはYARIちゃんのトビウオフィッシュカレー

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試食会ではトビウオのすり身だったものが、炭火焼きのトビウオに改善。

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サラッと系のスープカレーなので、ルーはスス~っとご飯に沁みて。

お味はタイ風グリーンカレーピリ辛ホノ甘スッキリ系。

炭火焼きされたトビウオは、パサついた感じはなくしっとりぷりぷり。

これには感心。

風味も豊かで、これならトビウオ食べた充実感十分あり。

パッケージに記された能書きや原材料は次の通り。

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レモングラスとシュリンプペーストの配合が絶妙かと。

 

お次は、イルマーレさんの屋久鹿キーマカレー

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「とっておきのジビエ」に期待。

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一口運べば爽やかでフルーティーな香り。

いわゆるミンチではなく、叩いて切った肉の触感が「肉食ってるぞ!」の充実感を醸し出し、

ほんのり汗かく刺激もよい塩梅に。

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ただ、肉食ってるぞ!の肉が鹿であることは教えてもらわないとわからないほどの癖のなさ。

ただ、ジビエに憧れつつも獣臭は苦手というお客様にはこれでよいのかもと。

 

三番目は、オーサワのベジきのこカレー

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For Veganの文字に、雑食家としては少しばかりひるんでしまいますが、

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頂いてみると、思いのほかスパイシーで食べ応えあり。

ほんのり酸味が効いていてきのこの触感はコリコリぷりぷり。

スイスイ口に入る滑らかさも楽しげで、こりゃいけますわ。

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酵母エキスのせいでしょうか、後味は何やら和風の趣きがほんのり残りました。

 

最後は、かごしま黒豚カレー

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さて、どんな鹿児島と巡り会えるのか。

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口に入れる前からフワッと薫る、あの懐かしい香り。

ご飯と一緒に咀嚼するごとによみがえる、あの時代。

アポロ11号が月面着陸した1969年、全国発売された「ボンカレー」から脈々と受け継がれたレトルトカレーの風味。

肉はゴロっと食べ応えがありますが、残念ながら脂身は少なくややパサっと。

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黒豚か白豚か、食べてもよく分りませんでしたが、

穏やかな甘さに鹿児島を十分感じることができました。

 

ご飯こそ1合弱でしたが、カレーは4人前。

完食しても胃にもたれなかったのは、原材料の選び方もあるでしょうが、

やはりレトルトパウチ食品の進化によるものも大きいかと。

ちなみにかの「ボンカレー」のボンとは……

フランス語の形容詞 "bon" からきていて、「良い(優れた)、おいしい」という意味。

今年の8月亡くなられた笑福亭仁鶴師匠のCM「3分間待つのだぞ」の台詞が、

よみがえってきた秋の夜長でした。

 

なお、YARIちゃん(SIMAYUI LABEL)のカレーのパッケージの図案は、

中に入った特製絵葉書が覗いているもの。

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屋久島の障がい者就労支援施設「屋久の郷」の作家さん達が描かれたさまざまな作品から選ぶことができます。

 

島の小さな力が結集した一袋のカレーだと思えば、1,000円も高くないのかも。

 

敬具

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