拝啓
11月2日は「タイツの日」。
タイツの製造は、片足ずつ編んだ物を1つに縫製していて、
その様子が「11」に見えることと、2つでペアであることからだとのこと。
ちなみに1が四本並ぶ11月11日は……
もやしの日
箸の日
チンアナゴの日 etc.
六角堂ではさしずめユリの花の種の鞘の日でしょうか。
ヤマユリの生長には時間が掛かることをご存知の方は少ないかも。
1. 開花後にできた鞘から種が飛ぶ
2. 種は冬の寒さと夏の暑さの中、地下で根を伸ばして小さな球根を作り
3. ようやく地上に芽が出る
4. 発芽1年目は葉1枚で過ごし、秋には地上部が枯れる
5. 発芽2年目は葉が数枚になるが、背丈はさほど大きくならず、
秋には地上部が枯れる
6. 発芽3年目は、ある程度茎が伸びるものもあり、中には蕾がつくこともある
7. 発芽4年目にようやく背丈が伸び始めて大きな蕾をつける
地下の球根の成長に時間がかかるので、忘れたころに花が咲くことも。
飲食店を始めとして、お商売もユリと同様。
人の目に付かない地道な努力の積み重ねの後、
人の目を惹く立派な花を咲かせるのかも。
それまでグッと我慢を続けることができたお店だけが、
末永く繁盛するのかと。
尾之間のサンキュウ食堂さんも、
そんな種を日々撒かれているご様子。
Aコープに買い物に出かけるたびに県道際の案内板も賑やかに。
「カレー」の文字が気になっていたところ、
数量限定でカツカレーを始められたとFacebookで知り、
早速トロトロ。
入口で「カツカレー頂けますか?」と伺えば、
「今仕込んでいる最中なので少しばかりお時間を頂ければ」とのこと。
時間にせかされているわけではないので、ゆるゆる席で待つことしばし。
やって来たのは、こりゃまたホホォ~~の設え。
思いの外に大きな器。
しかも上から見るとよく分りませんが横から見ればこの通り。
Mt Fuji Curryとな。
聞けば、武蔵グループでは縁起物の赤富士で上質なカツカレーをアピールされているご様子。
お味はあくまでも穏やか。
何種類もの魚の出汁を隠し味にされているとか。
どっしりとしたトンカツの手前に拡がるカレールーは、
さながら小春日和にたゆとう三河湾のよう。
鷹一つ見つけてうれし伊良湖崎
芭蕉の句が想い起されます。
ただ、せっかくモッチョム岳を眼前に望む絶好の立地。
島の魚介をあしらったMt. mocchomu Curry の登場が待たれます。
モッチョム岳=本富岳は標高940m。
モッチョムとは女性の秘部、あるいは性交を意味する地の言葉。
日本一の陰陽山とも言われ、
山の西方からは陽(男性器)、東方からは陰(女性器)の姿を見ることができるとも。
玄関先で雌の背中に雄がちんまり乗っかった蛙に見送られつつ、
勤勉実直なオーナーさんがモッチョムにちなんだ怪しくも艶めかしいカレーを考案して下さる日を心待ちに。
ついでながら11月2日は北原白秋の命日「白秋忌」。
揺籃(ゆりかご)のうた
一、
揺籃のうたを カナリヤが歌うよ
ねんねこ ねんねこ ねんねこよ
二、
揺籃のうえに 枇杷(びわ)の実が揺れるよ
ねんねこ ねんねこ ねんねこよ
三、
揺籃のつなを 木ねずみが揺するよ
ねんねこ ねんねこ ねんねこよ
四、
揺籃のゆめに 黄色い月がかかるよ
ねんねこ ねんねこ ねんねこよ
こんな童謡のように、穏やかな心地で日々過ごすことができる列島になれば幸い。
さて「屋久島カレー事情」も次回は第100回。
節目を飾るカレーのご案内はこちらを予定しております。
敬具