拝啓
大晦一週間前、六角堂に牛一頭。
日毎夜ごとにコロナ感染予防や風評被害防止を呼び掛ける屋久島の防災無線。
今年の大晦日の催し事はどうなるかと気に掛かり、定期診察に徳洲会まで行きがてら、訪れたのは宮之浦の法華宗のお寺「久本寺」さん。
毎年参拝者に除夜の鐘を撞かせて下さっておりましたが、
今年はどうなることかと伺いにまいると、
若住職さんが
「区長さんとも相談して、今年は中止することになりました。せっかく年々お参り下さる方が増えていたのに残念です」
とのこと。
それでは益救神社はいかなることにと心配に。
毎年、益救神社の巫女さんが手渡しして下さる(ここが肝心)干支の縁起物を頂くのが移住してからの習わし。
感染防止ビニールが揺れる社務所の窓口に行き
聞けば、
「太鼓の奉納は中止となりましたが、お札や縁起物のお渡しは例年通りできるようバイトの巫女さんもお願いしています。ただ、緊急事態宣言が出れば中止になるかもしれません。それで今年は早めにお参りに来られて縁起物を受け取られる方も多く、品によってはもうなくなりそうです。ばらけてお参りに来て頂けるとありがたいです」
とのこと。
それは一大事、と干支の縁起物を頂くことに。
お連れしたのがこちら。
窯元の名が「薬師堂」なのもご時世にかなうようで。
薬師如来は東方浄瑠璃世界の教主。菩薩の時に衆生の疾病を治癒して寿命を延べ、災禍を消去し、衣食などを満足せしめんと誓い仏と成り、瑠璃光を以て衆生の病苦を救い、無明の病を直す法薬を与える医薬の仏として信仰を集めているありがたい仏様。
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さて、六角堂ちんたらcafeには、
神棚に天照大神や益救神社、大宰府の天開稲荷さんのお札が祀られて、
其処此処に恵比寿さんやら
聖天(歓喜天)さんやら、その元となるガネーシャさんも鎮座され、
アマビエさんの本だけでなく、
聖書や
コーランも手に取ってご覧いただけます。
阿弥陀仏専修、法華経一途の方々からすれば、無節操極まりない迷える六角堂かも。
ただ、信ずるものが何であれ、
そこに共通するのは人智を越えた大いなるものへの畏敬と崇拝、慈悲への感謝。
一方、お祓いやイモリの黒焼き鰯の頭でコロナ予防ができるはずなし。
なけなしの知恵と技術と創意工夫を出し合って、
何とか問題災難を乗り越えようと手を繋ぎ合うのが人間らしさ。
特段優れた知恵も技術もないならば、
きちんとマスクし手洗いし、適度な距離を取りながら、
ボ~~~ンと鐘撞き、パンパン柏手、両手を合わせて心の中で、
疫病退散、家内安全、商売繁盛を願う場を共有する事に意味があるかと。
明日はクリスマスイブ。
かつて何度か足を運んだことのある京都三条河原町にあるカトリック河原町教会の
「クリスマス市民の集い」は中止。信者の方対象の降誕夜半のミサも制限付き。
小島のカトリック教会のミサが、
予定通り25日の夜7時から行われるなら、
こんな折だからこそ、初めて足を運んでみようとも。
神様仏様に救いを丸投げするのではなく、私たち自身が道を切り開く勇気を与え、見守ってくださることを願うための祈り。
人心惑わす似非科学や似非宗教に惑わされず、分断差別に加担せず、
苦難を共に乗り越える『人の世に熱あれ、人間(じんかん)に光あれ』。
もう幾つも寝ない内にお正月、みなで良い年越しができますように。
敬具
追伸
12月24日の朝、教会の様子を見に伺うと、夜を待たずにイエス様御生誕。
明日25日夜7時からのミサはあるのかしらんと、思い切って電話すると「予定通りです。島のクリスチャンは少ないので三密にはなりません。お友達も誘ってぜひお越しください」とのことでした。