屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島六角堂から京都の六角堂へ

拝啓

11月19日、コロナウイルス感染者が全国で2377人、一日としては最多人数を記録したと報道されておりますが、

屋久島と鹿児島を結ぶ飛行機は11月に入って連日ほぼ満席。

屋久島町が観光客の皆様に発行していた4千円で1万円分の買い物ができる「やくしま満喫商品券」も19日に完売。

縄文杉への登山に向われるお客様は11月に入ってからも連日200人を超えている様子。

そんな折、一週間ほど京都で過ごすことに。

屋久島18:00発のJACで鹿児島へ。

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鹿児島空港スカイマークの神戸行きに乗り換え、

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三宮からJRで京都駅に着いたのは23:10。

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その翌朝向ったのは伏見区のとある総合病院。

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毎朝の検査と昼と夜の病院食を摂るだけで、病院から一歩も外に出られぬ日々。

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持ち込んだ文庫二冊を読み終えてしまった後は、

院内の7ELEVENで見つけた小説『おらおらでひとりいぐも』と『18禁の日本史』を読んで時間つぶし。

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検査室に行くたびに通りがかるセミグランドのピアノは、寄贈されてから一度も奏でられていないとのこと。

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病と闘う方々へとピアノを贈られた方の遺志が活かされることを願うばかり。

 

ようやく病院から解放された夜は京都市内のホテルで一泊。

真っ赤に染まった京都タワーが異様でしたが、スマホで写真を撮ると何故かオレンジ色にしか映らないのもまた奇妙。

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ネットで確認してみると「京都駅周辺 Winter Illumination ときめきプロジェクト」によるレッドライトアップだとのこと。

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京都タワー「レッド」ライトアップのお知らせ|京都タワー Kyoto Tower 公式サイト

観光業界の“なりふり構わず感”がライトアップされているようで、何やら悲し。

 

翌朝はGOTOトラベルの「地域共通クーポン」を使って烏丸通の老舗喫茶で朝食。

入れ代わり立ち代わり訪れるお客様の多くは、お一人様やご夫婦のシニア世代。

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“街の暮らし”をひと時満喫。

店の裏にあるのはガン封じのお寺因幡薬師」。朝からお参りの方が絶えない様子。

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そのすぐ近くにある「繁盛神社」

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「班女大明神」の塚には、疫病退散の幟が風に揺れておりました。

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千年の都、コロナなんぞは歴史の一コマに過ぎないのかもしれません。

室町通りを北に上がれば其処此処にお地蔵様。

幸を願う庶民の思い連綿と。

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そして京都シネマで田中裕子主演の『おらおらでひとりいぐも』を鑑賞。

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場内はシニア割引のお客様で満席。

手押しカートや杖を突いてのご鑑賞の方も。

老年の孤独がユーモラスに描かれた秀作でした。

 

鑑賞後、せっかくなので京都の六角堂、頂法寺さんにお参り。

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ご参拝の方はやはりシニア世代が中心ですが、

若い方も混じりつつ、ソーシャルディスタンスを気遣いながらお参りの列。

 

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お堂の裏には赤いべべ着たお地蔵様がずらり。

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こうして観ると、京都タワーの真っ赤なライトアップも案外京風なのかと妙に納得。

 京都の「へそ」もきっちり再確認した後、

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大垣書店に向って、心惹かれた本を買い込み、

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その日の内にはもう島まで帰り着けないので神戸で一泊。

翌朝6時前にチェックアウト、門の閉まった生田神社の脇を通ってトコトコ三宮へ。

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七五三とは気付きませんでした。

ポートライナー神戸空港まで行き、7:40発鹿児島行きに搭乗。

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屋久島行きの飛行機は満席でキャンセル待ちも叶わず鹿児島市内までバスで行き、

ほぼ満席の高速船安房に到着したのは午後1時過ぎ。

退屈かつ慌ただしい京都と島の往復でした。

 

政府の推し進めるGOTOで、いつの間にやら“不要不急”なる言葉は雲散霧消。

六角堂コテージは来年1月20日過ぎまでほぼ切れ目なくお客様がご滞在。

生老病死が人生ならば、

互いの健康に気遣いながらも、いづこの地へか旅することは、

人にとって必要不可欠な営みなのだ……

と思わずにはいられない初冬の日々です。

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敬具

6kakudo-tegami.hatenablog.com