屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

おみずの島プロジェクト 屋久座が示す小杉谷の未来

拝啓
 
2019年7月5日、宮之浦屋久島離島開発総合センターにて
劇団屋久第2回公演「ミンナノウタ 」の初日公園を鑑賞。
サブタイトルは「小杉谷三十年目の約束」。
舞台は1924年(T13)に屋久国有林開発の拠点として開設した
小杉谷事業所に暮らした人々の今。
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屋久島の住人と屋久島出身の役者が演ずる熱のこもったお芝居でした。
舞台には立たないスタッフの方々の努力と情熱の結晶を楽しませて頂きました。
協賛したお店は126店。
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一つのお芝居を支える力がこれほどあることに、また新鮮な思いを。
 
小杉谷の略歴については「九州森林管理局/小杉谷と森林軌道の歴史」で伺うことができますが、
 
その暮らしの片鱗は朝日新聞デジタル:1966大伐採時代 - 鹿児島 - 地域」にも
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お芝居は森林の開発と保護を巡る島民の葛藤や屈折した思い出がベース。
小杉谷出身者であること、
千年の樹齢を誇る木々を伐採をしたこと、
暮らしを立てるためにせざるを得なかったこと、
それらへの屈折した思いや、それへの島内外の差別や偏見が
それぞれの心のひだに刻まれていたことを想起させるセリフに
“ふ~~む”と思うことしきり。
 
単なる開発か保護かという二元論に収束することなく、
様々な対立を乗り越えた先にある、
多様な生命の一つとして人が人らしく暮らせる島(地域社会)造りのヒントがこのお芝居にはあったかと。
 
屋久島を「居場所を求める地球人の拠り所」としてとらえ直す事こそ、
島の未来を切り開くと再確認させられた80分でした。
 
では、
「居場所を求める地球人の拠り所」とは何か。
その実現の鍵となるものは何か、
探って参りたいと存じます。

敬具