拝啓
改元を挟んだ10連休のGW、屋久島の空路は大混乱。
以前から繰り返し問題視してきたころですが、
計器着陸設備(ILS)のない屋久島空港では、
有視界飛行のパイロットが滑走路を目視して着陸するしかなく、
雨雲が低く垂れこめると着陸できずに引き返し、あるいは欠航に。
2019年4月29日の
到着予定6便は辿り着けず
島に飛行機が着陸できなければ、
島外に出る出発予定6便も必然的に欠航。
JACのATR42-600は48人乗り。
ATR72-600は70人乗り。
GWを島でお楽しみ下さるはずだった数百人のお客様と、それをお迎えするはずだったお宿や飲食店やガイドなどなど悲嘆の声が聞こえます。
2017年度の屋久島空港と鹿児島県内の主な離島の空港を比較すれば……
屋久島空港
旅客数 183,795人 全国56位
着陸回数 2,360回
着陸回数 2,360回
照明施設 夜間着陸用灯火1式
無線施設 VOR/DME,RAG
徳之島空港
旅客数 174,255人 全国57位
着陸回数 2,431回
着陸回数 2,431回
1980(S55)年に滑走路長2,000mの空港として鹿児島県離島で初めてジェット化。
照明施設 進入灯,進入路指示灯,夜間着陸用灯火一式
無線施設 VOR/DME,LOC,RAG
奄美空港
旅客数 773,150人 全国35位
着陸回数 7,493回
着陸回数 7,493回
1988(S63)年には海岸沿いのリーフ上に,滑走路長2,000mのジェット空港として新空港が開港,平行誘導路,精密進入用灯火,計器着陸装置を設置。
照明施設 精密進入用灯火1式
無線施設 VOR/DME,ILS
種子島空港
旅客数 85,369人 全国68位
着陸回数 1,863回
着陸回数 1,863回
2006(H18)年に県の離島空港の中で,徳之島,奄美空港に次ぐ2,000mの滑走路のジェット空港として開港。
照明施設 精密進入用灯火1式
無線施設 VOR/DME,ILS
徳之島空港は何故か40年前にジェット化し、
完全ではないにせよ計器着陸も可能。
種子島空港は旅客数が屋久島の半数以下にもかかわらず、
13年前にILSを備えたジェット化。
屋久島空港に国際便就航を検討 鹿児島県
屋久島空港の滑走路を延伸してジェット化し、
将来的に国際便の受け入れも視野に入れて、
鹿児島県が空港の整備計画案を練っている
とあり、
その『屋久島空港滑走路延伸に係る基本計画案』をのぞいてみれば……
滑走路の延伸について触れているばかりで、
計器着陸設備(ILS)の必要性については一言もなし。
屋久島町長選挙は五か月後の令和元年10月。
島に必要なことは何か、議論の場の必要をひしと感じるGWとなりました。
敬具