屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島カレー事情 第73回 島外編 胃袋を掴み舌に刻み込め

拝啓

所用で鹿児島市内に出向いた折、カレー専門店を探すのも楽しみの一つ。
これまでも
『第21回 対岸に香れるカレー求めけりでは「チチビスコ」さんや「スリランカ かごしま」さん
『第58回 あざなえる縄の目の間のカレーかな』では「田中カレー」さんなどを紹介してまいりました。
他にも名山町「フレンド」さんや
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中央駅の郵便局向いの「サフラン」さんも庶民的な人気店で好感が持てますが、
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名山町でインド(ネパール?)人の若者が調理する「epice」さんはお薦めの店の一つ。
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鹿児島市内でカレーをと思われたら一度足をお運びください。

で、先日鹿児島に出向いた折も、新たな出会いはないかと思っていたところ……中央駅から郵便局の前を通り十字路を左折して踏切を渡る手前に「カレー屋」の看板を発見。
その名「匠(たくみ)」
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早速入店すると、シンプルこの上ない店内の壁にはメニューやら
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案内書がそこここに。
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カウンター席に座ってメニューシートを手に取ると
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辛口和牛+中辛黒豚の「匠盛」も気にはなりましたが、「黒豚バラカツカレー」を注文して待つことしばし……
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滋味深いカレールーと柔らかな豚バラカツの風味がバランスよく組み合わさった穏やかで優しいカレーでした。
聞けば、ランチタイムのチキンや豚のカレーは廉価で食べられるように具材を少し変えてあつらえたものとのこと、お財布にも優しいお店のようで。

鹿児島市内のお店にも学ぶところは多かったですが、実はここからが本題。

天文館の鹿児島物産店を勉強のために覗くと、そこには「ご当地レトルトカレー」や「ご当地ラーメン」がずらりと並んでおりました。
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その中から、離島のカレーを二箱選び、六角堂に持ち帰ってワクワク試食。

まずは鹿児島港から13時間の船旅の末に辿り着くトカラ列島(十島村)の宝島、トカラタカラ果樹園さん販売の「島バナナカレー」
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箱の裏面にはトカラ宝島の案内とカレーの能書き
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温めたレトルトパックを皿に盛ったご飯の脇に掛けると……クリーム色のルーに浮かぶ三本の物体が印象的。
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並んでいたのは島バナナと思いきや、骨付き鶏肉でした。
糖度25度を超えるという島バナナの甘味とチリの辛味がじっくり溶け込んだクリームシチュー風のホワイトカレー。フルーティーな味わいは南国的かと。

そしてもう一品は、鹿児島県奄美大島の南西に浮かぶ徳之島徳之島町が製造販売する「徳之島地福咖喱」
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箱の裏面には徳之島三十三聖地の史跡マップが
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温めたレトルトパックを皿に盛ったご飯の脇に掛けると……褐色のルーに盛り上がる二枚の厚切り三枚肉。
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しっかり炒められた玉ねぎとニンニク・ショウガで深みが加わるトマトベースの重厚な趣き。
食べ応えのある豚の三枚肉には仄かに島特産の黒糖酒が香り、素直に上手い。

屋久島にも「屋久島 森のカレー」が存在しますが、
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残念ながら天文館の物産店には陳列されておりませんでした。

観光客減少を嘆く前に、今こそ地球人の胃袋をつかみ舌の記憶に刻まれるレトルトカレーを島を挙げて開発すべき時かもしれません。

敬具



屋久島カレー事情インデックス

原      「冬季限定 nicoichi食堂」  ピリ辛チキンカレー
      「木村珈琲」 黒毛和牛のすじ肉カレーライス
 小瀬田 「ひよりや」 
 麦生   「ティールーム トローキ」
 平内  naa yuu cafe」ココナッツチキンカレー
  宮之浦 「屋久島ふるさと市場 島の恵み館」
  宮之浦 「カフェギャラリー 百水」
  宮之浦 「こむぎこ」
 横峯   「のどか」
 宮之浦 「やまがら屋」
     「ノマドカフェ」
  安房  umi cafe2018年閉店
  安房  「喫茶ケルン」2018年閉店
  安房   Warung Karang
  宮之浦「浜焼き 悠楽」
  鹿児島市内
 「田中屋」
 「鹿児島市立病院レストランだんらん」
 安房  「ちーぞー」
 永田   sea & sun
       「食堂 もっちょむ山荘」2017年閉店
  宮之浦「宮カフェ」
  一湊  「なっちゃん食堂」
  小瀬田「moricafe STAND
52冬籠るカフェの新たな春待たん 今年最後の豆腐カレー
     「ノマドカフェ」
51勤労の香りぞ高き島カレー 夏には夏の冬には冬の味わいを
  安房  「山カフェ」2018年閉店
50 島の濃き緑染み入るカフェカレー 最北のカレー
  永田 「水照玉」
49  段々の青き棚田に福来れ  爽やかな女将さんの前途を祝して
  椨川 「たぶ川」※楠川へ移転
48島に居て上機嫌なる腹の虫   一食の価値あるアートカレー
  麦生 「DAVIS
47夏雲の島に生まれし海カレー 根っからの島民による全国民のためのカレー
  宮之浦「やくしま食堂」20181月閉店
46赤き子の島に生まれし雨後の昼 和洋の狭間に知るカレーの深み
  安房 武田館キッチンハウス「かたぎりさん」
45物騒な世を鎮めるや島カレー 明日に向かって撃て
     「ノマドカフェ」
44年の瀬に飛び立ちて行く背や丸し EBI Fly to the distance
 安房  「田中屋」
43和も洋も隔てなきなり島カレー 受けて立った宮之浦の戦い
 宮之浦「雲水」
42春牧に昇る旭日を拝みけり 笑顔は究極のスパイスなり
 春牧   「喜楽里」
41軒先の雫気にせずカレー買う 県道脇のコンテナで作るオヤジに買うオヤジ
 小瀬田 「モリカフェ」
40新月に隠れてうさぎカレー食い カレーが地球を回している
 麦生   DAVIS
39人の世を写して流る秋の雲 ブタにも「六」がありました
 安房   「ポルコ」201711月閉店
38春にまた戻る日を待つ渡り鳥 また来ってこいよ南国Amara
 安房  Amara2016年閉店
37神代より天下りたり愛の秋 姉弟そろって豆カレー
 
平内 「アイノワレストラン」(サウスビレッジ内) 2015年閉店
36あきもせず くるりくるりの島時間 港に香るカレーの風味
 宮之浦 「雪苔屋」20185月閉店→永久保に移転
35島に逃げ極楽とんぼの島カレー 南の村の豆カレー
 平内   「サウスビレッジ」2015年閉店
34透き通る海を背中に浜カレー 浜辺でスパイシー
 一湊海水浴場 「カレー専門店 屋久島カレー グロース」
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