屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島ほんの気持ちばかり第7回 ひよりやのごはんで背筋しゃっきり心ふっくら

拝啓

台風一過と言うものの、フェリーも高速船も止まったままの屋久島の海の上には悠々サバが泳ぐ秋の午後。
イメージ 12

ご滞在予定のお客様のご来島が欠航等で叶わず、ここはちょっと気分転換にと久しぶりに伺ったのは小瀬田「ひよりや」さん。
※ 2016年、開店当時の紹介記事はこちらでどうぞ 一膳の箸が通わす島の幸

カウンターのあった厨房横のスペースはテーブル席にリニューアル。そちらは満席だったため、玄関右手の和室にどっかり、腰を下ろせば畳の縁が六角模様。どこぞの家紋なのか分かりませんが、何やらちょっと嬉しい気分。
イメージ 4

メニューを見れば、なんと!いつの間にやらカレーを始めていらっしゃる。しかし、「売り切れました」の間の悪さ。そこで本日は奮発して「hiyoriya定食」を頂くことに。(秘かに島民割引があるのです)
イメージ 5

注文し終えて向かったのは、床の間の仏壇スペース。遠慮がちに置かれた幾冊かの本。
イメージ 7

抜き出したのは、西邨マユミ「ワニブックス 正しく暮らすシリーズ  キレイな人は『その一口』を大切にする 正しい食欲のつくり方」2015/5/18刊
イメージ 8

「正しい●●」は苦手な私ですが、「食事」ではなく「食欲」というタイトルの本は見かけないので興味がわいて、目次を辿りつ其処此処ぺラパラ。
イメージ 9
自由とは、何ものかにとらわれないことなのだと咀嚼。ただ、自分らしさを求めること自体が一つのとらわれ=息苦しさ、生き辛さの元にならぬようにと。

洋間に籍を移して、ややしばし。やって参りましたhiyoriya定食野菜天ぷらバージョン
イメージ 1

お店の看板は発酵玄米のごはん。玄米なのにもっちり柔らか。
イメージ 11

発酵玄米にもいろいろある中。ひよりやさんは長岡式だそうで
イメージ 6

一つ一つ丁寧なお仕事。菜箸もって鍋に向き合うオーナーさんの姿が彷彿とされ。
イメージ 2

ゆっくりかみしめながら頂くと、何やら背筋がしゃんと。一口一口頂くたびに、何やら心がふっくらと。こうしたお食事は、腹七分目がよろしいようで。

ちなみにこの日のhiyoriya定食のもう一つのバージョンはサトイモのコロッケでした。
イメージ 3

食後に聞けば、「売り切れ」になっていたカレーは台風の時の特別メニュー「台風カレー」として始めたものが定番になったとのこと。
イメージ 10

次回はこれを頂きに伺うことをお約束。

ビーガンばかりでなく和食を嗜みたい外国人観光客さんが沢山ご来店とのこと。ひよりやさんが息長く繁盛なさいますように。

ひよりやさんインフォメーション
hiyoriya (ヒヨリヤ) 小さなごはん屋です。
 0997-43-5400 小瀬田1436-35
不定休 お昼の部 (木)~(日)12時~ 夜の部 ご予約制 少人数制で営んでおります。
4名様以上の場合はご連絡下さい。

敬具


これまで紹介した「屋久島ほんの気持ちばかり」インデックス

石田紀佳著『魔女入門 暮らしを楽しくする七十二候の手仕事』
星野道夫著『魔法のことば 自然と旅を語る』
鳥居著『キリンの子 鳥居歌集』
石和鷹著『地獄は一定すみかぞかし 小説 暁烏敏』
前野隆司『「死ぬのが怖い」とはどういうことか』
荒木経惟『いい顔してる人』
鍵井靖章『アシカ日和』
高田渡『バーボン・ストリート・ブルース』