屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島トッピーサバダバ 第1回 海を跳ね空に広がる島の鯖

拝啓
 
9月に入ってからの屋久島は天候不順、先日も大雨警報が出たかと思えば夏が戻ったような入道雲が沖に出て、夕暮れ時には鱗雲。
秋への歩みは一歩ずつ、六角堂の萩の花も咲き始めました。
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そぼ降る秋雨に打たれて揺れる花を眺めていると井上陽水の「少年時代」
夏が過ぎ風あざみ  誰のあこがれに さまよう ♪が雫の向こうに流れてきます。

 

夏の間、島のかき氷とソフトクリームを巡った「屋久島あいすくるりん」も終了し、さて次は島の何をご案内しようかと思っていた矢先、
久しぶりに訪れた春牧の食堂「喜楽里」さんで「焼きサバ定食」を注文すると……
 
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サバの傍らにたっぷりの大根おろし。見ただけで嬉しくなっても其処は一先ず我慢。
まずは喜楽里さんの定食に付き物のソバをズズッと一口で、味噌汁をズッと啜ってご飯を一口。
そしていよいよおもむろに、ほぐしたサバの身の上に大根おろし乗っけて口に運んだ瞬間「これですがな」と。
店が空いている時は食後の珈琲をサービスで付けて下さる女将さんの親切に感謝しつつ思ったことは……
 
屋久島の特産海産物の代表は南のトビウオ北の首折れサバ
トビウオについては2014年6月30日のブログ記事「」で詳しくご案内しておりますが、

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サバについて取り上げたことはありませんでした。
というのも島の特産首折れサバは高級品で、漁師さんと昵懇でない一般庶民はそう易々と口にはできない代物。
ただ、魚の中で何が一番好きかと問われれば、ためらうことなくサバと答えるサバ好き。
中でも京都の鯖寿司と小浜(福井県)の焼き鯖なのですが……
 
ここは懐具合と相談しつつ、ノルウェー産だろうと何処産だろうと島でランチタイムに1000円内外で頂けるサバ、そしてトビウオ料理をご案内しようと決意。
 
では、その新連載のネーミングはと思い巡らす脳中に♪サバダバサバダバ、パーサバダバ♪が流れ始めてきたではありませんか。
1965年から四半世紀にわたって放送されていた日本初の深夜のワイドショー11PMのテーマ音楽。
早速、ネットで確認。
 
その11PM(東京イレブン)最終回のオープニングのYouTube動画を眺めて観れば、
 
https://www.youtube.com/watch?time_continue=3&v=-Ye5mzUUNV4
東京イレブン最終回のエンディング(大橋巨泉愛川欽也のコメント入り)
そして大阪イレブン最終回のエンディング(藤本義一のコメント有り)は
 
大橋巨泉愛川欽也藤本義一は言うに及ばず、この春亡くなった朝丘雪路はブラウン管で花のよう、この夏亡くなった夫の津川雅彦も偲ばれて……光陰矢の如しを実感。
 
いやいや、さてはてサバはサバダバだけどトビウオはさて……
とネットの波を漂えば、スピッツの「トビウオ」に流れ着き……
霧隠れのあいまいな 背中追いかけ
指の先の平均値 汗がしたたる
説明不可能な バネ力で
波にもまれ トビウオになれ ギラギラ太陽
うれしいってもっと 素直に言えたなら
抱きしめたい 見つめていたい くたばる前に
替わりがきかない 宝を取り戻せ 君を
遠回りしたけど 解りはじめた
波照間から稚内へ 旅の途中で
昔から僕らが 持っていたもの
思い出そうぜ トビウオになれ オーラじゃなくて
直接さわれる ホンマモンのエクスタシー
その勢いで 気付かせたいぜ 今さらながら
ありがとうのエナジー どでかく描いたれ 空に
波にもまれ トビウオになれ ギラギラ太陽
うれしいってもっと 素直に言えたなら
抱きしめたい 見つめていたい くたばる前に
替わりがきかない 宝を取り戻せ 君を
 
「波照間から稚内へ旅の途中」の屋久島でトビウオの愛称はトッピー、
ならば答えは「ピーサバダバ」しかありえへん。
 
そうと決まれば、次に訪ねる店はもう決まりです。
 
敬具
 
追伸
♪サバダバダ♪を検索していると「SADAのサバダバダ」(歌手:まき凛子、作詞:大林信彦、作曲:堀内孝雄)という歌に遭遇。
昭和11年、愛した男の性器を切断するという事件を起こして世間を騒がせた阿部定の半生を綴る大林監督、主演黒木瞳の松竹映画『SADA〜戯作・阿部定の生涯』の主題歌。
 
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  サバダバダ サバダバダ
  サバダバダバダ
  定が道を往く 人は振り返る
  定は立ち止まりはしない
  今日は恋日照り
  爪紅塗れば鳳仙花
  登り坂 降り坂
  笑ってサバダバダ
  定が語り出す 人は息を呑む
  定は蹲りはしない
  誰も小糠雨
  命細工は七竃
  曲り角 一直線
  睨んでサバダバダ
  サバダバダ サバダバダ
  サバダバダバダ
  定が踏み出せば 人は目を交す
  定は挫けたりはしない
  明日は向い風
  髪を梳いたら山酢塊
  行き止り 大通り
  構えてサバダバダ
  サバダバダ サバダバダ
  サバダバダバダ・・・・・
 
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聴けば歌声うら悲し。よろしければこちらでご視聴ください。
 
なお、阿部定事件(あべさだじけん)とは、仲居であった阿部定が1936年(昭和11年)5月18日に東京市荒川区尾久の待合で、性交中に愛人の男性を扼殺し、局部を切り取った事件。
事件の猟奇性ゆえに、事件発覚後及び阿部定逮捕(同年5月20日)後に号外が出されるなど、当時の庶民の興味を強く惹いたとのこと。
織田作之助の「妖婦」や渡辺淳一の「失楽園」、大島渚監督の「愛のコリーダ」のモデルにもなった事件です。
 
追伸2
このシリーズのタイトル「ピーサバダバ」、「ピー」ではお腹を下しているような印象が無きにしも非ずなので、9月27日「トッピーサバダバ」に改題しました。