屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島カレー事情 第62回 森の宮緑茂りて海開く あわほの夢を泡と帰すまじ

拝啓

島の桜もあちこちで満開になりつつある彼岸過ぎ。春休みに入って六角堂コテージにもご家族連れのご滞在が増えて参りました。

春のうららの買い物がてら、安房の「エコタウンあわほ ショッピングセンターばんちゃん」内に先日オープンしたばかりのお店へと。風の便りに小瀬田の「moriカフェ」さんや宮之浦の「宮カフェ」さんの姉妹店と聞きますが……

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観光案内所の隣の窓には「もみほぐし テイクアウトカレー・ハンバーグ」の大きな文字。内に回れば「ほぐしや nenek(ネネ) 安房店」の表札……

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くるりと巡れば安藤精肉店さんの隣に「umi cafe」の看板が。

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表に表示されたメニューを見ると、左にもみほぐし右にカフェの一覧が

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テイクアウトだけのお店と思いきや、右下に「イートインできます」の表示が。それではここで頂こうといそいそ入店。

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どこぞのエステティックサロンに入った……ことないのですが、そんな感じ。キーマを頂ければと思ったものの「今日の日替わりは何ですか?」と尋ねると「グリーンカレーとガパオライスです」とのこと。どちらが今日のお薦めですかと尋ねればパプリカや鶏のひき肉入り卵のせガパオライス」とのことなので、そちらを頂くことに。

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ちなみにネット検索すれば「ガパオ」とはタイの「ホーリーバジル」

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これが手に入りにくい日本ではバジルや大葉やニラなどを使う方も多いようですが、こちらのガパオライスはパプリカいっぱいでしたが緑の葉っぱは載ってなくて……それなら緑をプラスしようと「スパイシーなココナッツミルクのグリーンカレー」を追加注文。

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今まで島の中で食べたグリーンカレーの中では一番穏やかなスパイシーさ。お店の方とお客様のやり取りも和やかで楽しげな雰囲気。もみほぐし屋さんのカレーにはこの味付けがぴったりなのかと納得。

次は「牛丼」を頂かなくてはとひそかに決意しつつお店を後にいたしました。

ところで、「エコタウンあわほ ショッピングセンターばんちゃん」です。

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なぜ「エコ」なのか?表看板の裏に、そのカギを解く案内板があることをご存じの島民はどれほどいるでしょう?

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案内板通りであれば「エコタウンあわほ」には「エコシステム」や「せせらぎ」や「ステージ」まで備わっているはず。テナントだった「写真の藤本」も「食堂うらはま」も「ショップかわかみ」も「富士スポーツ」も「カフェ ハニー」も「エコ・プラザ」も今はなく、あるのは「安藤精肉店」のみ。

そこで「あわほ」の歴史を探ろうとネットをたどれば、開設当時やその後のあれこれを伝えるブログがヒット。


オープンはH13(2001)年4月8日だったそう。20世紀末、屋久町は「100億円かけてのCGアーチスト村を主体とした安房再開発をする」と発表し、その後「安房エコタウン構想」についてのプレゼンテーションが行われた様子。そして……


ここでの記述によればエコタウンオープンから8年後の2009年、エコタウンあわほに対し会計検査院が実地検査に入ることになったとか。 特産品加工センターも山芋貯蔵施設もほとんど使われておらず、 今後有効活用するという具体的計画もない。中心市街地活性化事業の総費用は11億円余の何割か、補助金や過疎債の返還を求められることは避けられない。当初の国に対する申請に虚偽があったと疑られ、申請書類をチェックされたとのこと。

思うに、そうした事件を後世に伝えるべく、案内板は設立当時のままにされているのだと。

今、島の新庁舎にまつわる予算や計画のあれこれが島の課題になっていますが、「エコタウン あわほ」の教訓を活かさねば、屋久島は穏やかならぬスパイシーな出来事に悲鳴を上げるのではないかと懸念しつつ、春の陽は静かに静かに暮れていくのでありました。

敬具



これまで紹介した「屋久島カレー事情」インデックス

  安房  「喫茶 ケルン」
  安房    「Warung Karang
  宮之浦「浜焼き 悠楽」
  鹿児島市内  「田中屋」
                   「鹿児島市立病院レストランだんらん」
  安房  「ちーぞー」
  永田   「sea & sun
第56回  薫る風命育む薬の島  ※2017年6月より休業
  原      「食堂 もっちょむ山荘」
  宮之浦 「宮カフェ」
  一湊  「なっちゃん食堂」
  小瀬田 「mori cafe STAND」
第52回  冬籠るカフェの新たな春待たん  今年最後の豆腐カレー
  原     「ノマドカフェ」
第51回  勤労の香りぞ高き島カレー   夏には夏の冬には冬の味わいを
  安房  「山カフェ 」
第50回 島の濃き緑染み入るカフェカレー  最北のカレー
  永田 「水照玉」
第49回  段々の青き棚田に福来れ  爽やかな女将さんの前途を祝して
  椨川 「たぶ川」
第48回  島に居て上機嫌なる腹の虫   一食の価値あるアートカレー
  麦生 「DAVIS」
第47回  夏雲の島に生まれし海カレー 根っからの島民による全国民のためのカレー
  宮之浦 「やくしま食堂」※2018年1月閉店
第46回  赤き子の島に生まれし雨後の昼 和洋の狭間に知るカレーの深み
  安房 武田館キッチンハウス「かたぎりさん」
第45回  物騒な世を鎮めるや島カレー 明日に向かって撃て
  原    「ノマドカフェ」
第44回  年の瀬に飛び立ちて行く背や丸し  EBI Fly to the distance
 安房  「田中屋」
第43回  和も洋も隔てなきなり島カレー 受けて立った宮之浦の戦い
 宮之浦「雲水」
第42回  春牧に昇る旭日を拝みけり 笑顔は究極のスパイスなり
 春牧   「喜楽里」
第41回  軒先の雫気にせずカレー買う 県道脇のコンテナで作るオヤジに買うオヤジ
 小瀬田 「モリカフェ」
第40回  新月に隠れてうさぎカレー食い カレーが地球を回している
 麦生   「DAVIS」
第39回  人の世を写して流る秋の雲 ブタにも「六」がありました
 安房   「ポルコ」※2017年11月閉店
第38回 春にまた戻る日を待つ渡り鳥 また来ってこいよ南国Amara
 安房「Amara」 ※2016年閉店
第37回 神代より天下りたり愛の秋 姉弟そろって豆カレー
 平内 「アイノワレストラン」(サウスビレッジ内) ※2015年閉店

第36回  あきもせず くるりくるりの島時間 港に香るカレーの風味
 宮之浦 「雪苔屋」
第35回  島に逃げ極楽とんぼの島カレー 南の村の豆カレー
 平内   「サウスビレッジ」※2015年閉店
第34回  透き通る海を背中に浜カレー 浜辺でスパイシー
 一湊海水浴場 「カレー専門店 屋久島カレー グロース」
第33回  梅雨明けを手土産に来い11号 ここは南国
 安房   「ジャングル・キッチン 近未来」
 楠川   「楠川ふれあいセンター じょんこう茶屋」
第31回  梅雨空に割りてすがしきカレーパン モーニングカレーパン
 尾之間「ペイタ」
第30回  海山にガッツリカレー連れテイク ガッツリ登山弁当カレー
 安房   「かもがわ」
第29回  台風も賑わうアジアの交差点 パワーアップして帰ってきたAmara
 安房   「新Amara 南国酒場」※2016年閉店
第28回  屋久島にアジアの緑風巡り来る 京都からやってきたアジアンカレー
 尾之間  「バリスタイル レストラン&バー Warung Karang」 ※2017年6月より休業
第27回  ラーメンをスープにさらう島カレー ラーメン屋のカレー定食
 宮之浦 「王龍(ワンロン)」 ※2016年閉店
第26回  脇役のカレー目当てに蕎麦すする カレーやってます
 尾之間 「手打ちそば屋」※2016年閉店
第25回  春雨に煙る木立のカツカレー 縄文登山のカレー
  安房  「杉の茶屋」
第24回  春の午後カレーも香り桜咲く 新しい春のカレー
  尾之間  お食事処「春」(リニューアル店) ※2016年閉店
第23回  県道に萌え出づる春カレーあり 年季の入ったかわいい系喫茶店
  小瀬田「花鈴」
第22回  花咲ける島のカレーに恵比須顔 島に溢れるなんでもありの多様性
  安房  「屋久どん」
第21回  雲間より漏れ出づる陽のカレーかな 輝くカレー
  安房  「島・しまキッチン」 ※2015年閉店

※ 番号の重複をご容赦ください

第21回  対岸に香れるカレー求めけり 海を渡って
  鹿児島市 チチビスコ、スリランカ かごしま
第20回  どんぶりに残せる鹿よ悪しからず たしかにしか
  宮之浦「カフェ・ヒトメクリ」
第19回  寒中の陽だまりすくう金曜日 金曜はカレーの日
  宮之浦「陽だまり」
第18回  小寒の温かなるビーフカレー 家路
  安房  「和が家」※2015年9月閉店
第17回  新年のカレーで初心立ち返る 求めるものは店それぞれに
  宮之浦「洋食の寺田屋」
第16回  冬空に一人向かいてカツカレー カァッツ!
  小瀬田「愛子亭」 ※2015年閉店
  春牧   「ふれあい」
第15回  幻のカレーやいずこ天狼星 ここは屋久島
  安房  「萬来軒」 ※2016年閉店
第14回  冬の海眺めてカレー食らう午後 海の見えるカレー
  宮之浦「Bay's Caf'e Jane」
  安房   「和茶灯(わさび)」
第13回 食べることそれは生のあかしなり 木枯らしの吹き荒れる海ボンカレー
  陳列棚のカレー 2
第12回 穏やかな秋のバザーにカレーあり マイルドバザーカレー
  安房  「すみれ幼稚園」
第11回  カレーには味も値段も決まりなし あっぱれなカレー
  原     「ノマドカフェ」
  尾之間「モッチョムビュー トーン」  ※2017年6月閉店
  安房  「田中屋」
第10回  一皿に カレーの美学 香り立ち アートなカレー
  麦生  「屋久島ヴィータキッチン」
  原     「屋久島 ノマド カフェ」
第9回  賭け事は性に合わぬとシカトする 玄関口のカレー
  小瀬田「エアポートやくしま」
  宮之浦「観光センター」
第8回  おいどんにカレーうどんは似合わぬか Aコープのカレーうどん
  陳列棚のカレー
第7回  南蛮の香り受け継ぐカレー蕎麦 熊毛郡ゆかりの南蛮蕎麦
  宮之浦「楓庵」
  安房 「きらんくや」
第6回  カレーから立ち現れし店の主 レストランのカレー
  安房 「ファミリーレストラン かもがわ」
  安房 「サンパウロ」
  原    「オリオン」
  安房 「よろん坂」
  尾之間「モッチョムビュー トーン」 ※2017年6月閉店
第5回  カレー屋と聞けば目覚める腹の虫 カレー専門店
  小瀬田「屋久島カレー茶房 ハイビスカス」
  宮之浦「カレー専門店 屋久島カレー グロース」
  安房   「カレーと多国籍料理の店 Amara」 ※2016年閉店
第4回  手で割って頬張る楽しさカレーパン カレーパン事情
  宮之浦「ひらみ屋」
  安房   「ヒロベーカリー」
  安房   「しいば」
  尾之間「Pain de Sucre パン・ド・シュクル」
第3回  風を待つ街にカレーの風が吹く 「本格」「印度風」ばやり
  島外のカレー
第2回  一皿の命の旨味有難し 樹林のオーロラカレー
  小瀬田「樹林」
第1回  独りでもカレーが繋ぐ人の縁 萬萬亭の500円カレー
  小瀬田「萬萬亭」