屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

一芝居打ちて叶えん若き夢 秋雨煙る宮之浦にて

拝啓

11月3日は「文化の日」。1946年に日本国憲法が公布された日であり、日本国憲法が平和と文化を重視していることから、1948年に「文化の日」と制定。趣旨は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことだそうで。

その日にちなんだわけではないでしょうが、屋久島宮の離島開発総合センターでは県立屋久島高校演劇部が第二回自主公演を開演。

体調優れぬためどうしようかと思案しつつも、やはりここはと痛む足腰を運転席に収めて宮之浦へ。愚図愚図していたため一部の上演の終わりかけに到着。ロビーの受け付けには係の方はどなたもおらずパンフレットが置いてあるのみ。

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一部の上演終了を待ってホールに入ると……

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降りた緞帳の前で、当てたら景品がもらえる「題名当てゲーム」の最中。顧問の先生と二人の男子部員によるのんびりした間合いのやり取りに、何故かハラハラさせられて……

ブザーが鳴って始まった二部の『園児のじかん』は今年二月に行われた冬季鹿児島県県大会優勝作品となった生徒の創作劇。コント風の素朴な劇中劇でしたが、表現したいという熱が伝わってきました。

劇のエンディング、「帰りにどこか寄っていこうか、駅前の……」という島ではありえない台詞に、生徒たちの憧れが込められているようで切なくなりました。

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パンフレットに寄せられた顧問の先生のご挨拶の一節「よくも悪しくも、あまりに有名な故郷を持つ彼らは、ある意味いつも悠久の癒しの島という常設舞台に立たされている。そんな彼らには、本気でうそぶく舞台が必要なのだ」に、指導されている先生の気概を感じ、普段は耳にすることのない高校生の「生声」に触れて、少しばかり元気を頂きました。

帰る前に一息入れようと雪苔屋さんに立ち寄ると、店内奥の「日具 niti gu」さんでは

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片岡メリヤスさんの企画展二巡目、人形に代わって良縁祈願のお札展が開催中

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温かみのあるユーモラスな朱のお札をつらつら眺めておんやと気付いたその図像にご縁を感じ、一枚頂くことにいたしました。

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六角堂に貼り付けたこのお札が、浮世に過ごす皆様と新たなご縁を結んで下さいますように。

ちなみに11月3日は「文化の日」であると同時に、東京都文具事務用品商業組合が定めた「文具の日」でもあることを帰ってから知りました。島では稀有な文具・雑貨のセレクトショップ「日具」さんを訪れたのも、偶然とはいえ何やらゆかしい気分になりました。

敬具