屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島丼紀行 第43回 幻のウナギ巡らん土用前

拝啓

四方を海に囲まれた日本列島に暮らす人類の一員としての屋久島人。その一員として麦生の沖の波間に漂う漁船を眺めながら不可思議に思うことが。

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なぜ年間数十万人が観光に訪れ、ホテルや民宿が数十軒もある「離島」屋久島に、京都の、大阪の黒門、明石の魚の棚にあるような鮮魚店がないのか。安房の漁協の販売所には魚の加工品はあっても鮮魚は無く、街から流れて来た者の感覚では、鮮魚店と言えるのは宮之浦の丸高水産ぐらいでしょうか。

最近、岩波新書「魚と日本人-食と職の経済学」(濱田武士著、2016年刊)を読んだこともあり、疑問はモヤモヤ渦巻くばかり。島の給食で地魚をどれほど献立にしているのか知る由もなし。

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いえ、地魚を食べたいという欲望に憑りつかれている訳ではございません。本来魚より肉が好き。それも一番はタンドールで焼き上げたスパイシーなラムチョップ、次いでオーブンでこんがり焼いた豚のスペアリブ、三番は厚切りOGビーフのレアステーキ。魚貝類なら京都の鯖寿司、小浜の焼き鯖、羅臼のウニ、金沢の赤貝、舞鶴の鳥貝……みな島では味わえないものばかり。

それが「屋久島丼紀行」とどんな関係があるかと言えば、これです。

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このところ食欲はあるものの体調思わしくなく、ガッと力を付けようと春牧の「みち草」さんでカツ丼を食べることに。

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暖簾をくぐると金運を招く金ぴかと黄色の招き猫がお出迎え。

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席に付くなりメニューも見ずに「カツ丼お願いします」と一声。テレビの下にも招き猫が鎮座しているのに気付きカメラを向けて

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ファインダーに写ったメニューボードに軽い衝撃を

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「うなぎ丼」の赤字。こっちにすればよかった。この店は結構ボリュームがあるだろうから800円のミニでもよかったかもと思った刹那、厨房からジュワーッとカツが油にダイブする音が……時すでに遅し。

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美味しくいただきました。お腹もいっぱいになりました。いつもならこれで十分満足です。しかし今日は……

「ご馳走様でした」と出た玄関脇に立っていたのがあの「屋久島産うなぎ うな丼」の幟。なぜ、入店前に気付かなかったのか!否、「屋久島産のウナギ」は天然なのか?ならば、それは噂に聞く大人の腕ほどもあるウナギとは同属別種のオオウナギ (学名: Anguilla marmorata)なのか?

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養殖ウナギならどこで養殖しているのか?島でウナギの養殖場など聞いたこともないではないか!

六角堂に帰って、早速ネットでまずは養殖ウナギについて検索。

「農林水産統計 平成28年漁業・養殖業生産統計」(平成29年4月25日公表) の46ページにある「2 内水面漁業・養殖業生産量(続き) (3) 内水面養殖業都道府県別魚種別収獲量」によれば、ウナギの養殖生産量は
    全国   18,941t
    静岡     1,654t
    愛知     4,742t
    宮崎     3,255t
    鹿児島  7,990t

鹿児島県は「うなぎパイ」の静岡県よりも

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「ひつまぶし」の愛知県よりも

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群を抜いてうなぎの養殖が盛んな県だったとは、今日の今日まで知らなんだ。

続いて「屋久島 うなぎ養殖」で検索をかけると、ご近所の細川農園さんのブログ「細川家の屋久島ライフ」2009年1月の記事がヒット。


「ダンナが屋久島に住み始めるずっとまえから車海老の養殖は屋久島であったみたい。その後、うなぎやドジョウの養殖業も聞くようになりましたが今は無いのかも・・・・・。屋久島産養殖うなぎはよくスーパーの店頭にも並びお味もかなり美味しくびっくりしました。最近はないのでがっかりですよ。」(一部抜粋)

島に足を運ぶようになって十年以上、ウナギの養殖など耳にしたことは皆無。鹿児島県の養殖業者を網羅したページを一覧しても


屋久島には鹿児島マリナーズの春田・小瀬田海老養殖場があるのみ。

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あそこのどこかにウナギもいるのか⁉今年の夏の土用の丑の日は7月25日と8月6日。それまでには謎を解かねば屋久島丼紀行の名が廃る!

とまあ、そんなに力まずとも次回「みち草」の女将さんに聞けばよいだけの話かも。

という訳で、丼紀行この夏のテーマは「島のうな丼」となりますが、資金不足のためどれだけ続くことやら……

敬具



屋久島丼紀行インデックス

  宮之浦 といも 「海鮮丼」
  湯泊 はまゆ 「海鮮丼」
  安房 お食事処あわほ「かつ丼」
  安房 お食事処 いろは 「かつ丼」
  宮之浦 ヒトメクリ 「自家製ベーコンエッグ丼」
  安房  お食事処あわほ 「中華飯」
  安房  いその香り  「14周年感謝限定ランチ-海鮮丼」
  椨川 お食事・酒処 たぶ川「親子丼」
  麦生 DAVIS 「デイビススタイルポークハンバーグのロコモコ丼」
  麦生 DAVIS 「黒豆ご飯とトビウオすり身揚げレッドカレー丼」
  尾之間 ボンクラード&La table 「丼風ライブ弁当」
  原 ノマドカフェ 「ラープ丼」
  春牧 みち草 「豚のねぎ塩焼き丼」
  安房 ファミリーレストランかもがわ「カツ丼」
  春牧 喜楽里「カツ丼」
  宮之浦  レストランパノラマ「とびカツ丼」
  安房 散歩亭 「黒豚なんこつ丼」
  春牧 喜楽里 「豚丼」
  小瀬田 エアポートやくしま「豚とじ丼」
  安房 じいじ屋「ミニ豚なんこつ丼」
  小瀬田 エアポートやくしま「トビウオ丼」
  宮之浦 四季(とき)亭 「ヒレカツ卵丼」
  宮之浦 島むすび 「豚下ロースカツ丼」
  尾之間 A-coop 「カルビ丼」
  船行 DINING CAFE BAR SLOW「ロコモコ丼セット」
  安房 田中屋「タンドリ丼」
  春牧 喜楽里 「喜楽里カレーう丼」
  宮之浦  雲水  「天丼 海老三本野菜四種」
  尾之間 そば屋 「とり天丼セット」
  尾之間 モッチョムビュー トーン 「味噌カツ丼」
  春牧 安永丸「海鮮丼」+「トビウオの漬け丼」
  安房 島・しまキッチン「お肉Wご飯大盛り無料 黒毛和牛ステーキ丼弁当※2015年12月に閉店
  春牧 喜楽里 「鶏めし丼+ミニうどん」、「カツ丼」
  安房 いその香り 「海鮮丼」
  安房 武田館キッチンハウス 和が家「ソースカツ丼」
  安房 武田館キッチンハウス なつみ庵「親子丼」 ※ 2015年11月に閉店
  安房 サンパウロ「豚丼」
  安房 屋久どん「天麩羅うどん+ミニソースカツ丼セット」
  安房 きらんくや「豚丼蕎麦セット」
  島外の丼
  小瀬田 エアポートやくしま 「とろろ丼」
  宮之浦 ふるさと市場「お勧め料理 あら汁・小鉢お漬物付き海鮮丼」
  原 食堂 モッチョム山荘 「天丼」
  安房 屋久どん「えび天うどん+■■■漬け丼」
  安房 レンガ屋「ミックス丼」
  小瀬田 ラ・モンステラ「親子丼」 ※ 2015年10月より無期休業
  安房 ファミリーレストランかもがわ「エビ丼」
  宮之浦 Bay’s Caf’e Jane「飛魚丼」
  安房 萬來軒「麻婆丼」
  安房 島・しまキッチン「ステーキ丼」 ※2015年12月に閉店
  尾之間 味徳「牛丼」
  春牧 みち草「カツ丼」
  栗生 松竹「天丼」