拝啓
穏かな快晴に恵まれた屋久島麦生の元旦でしたが、開けた二日はどんより雲が海まで垂れて、水平線も朧です。
それでも昨夜は冬の星座のど真ん中、シリウスを引き連れたオリオンの三つ星も冴えわたる満天の星空。
そうした星々を見上げていると、自分もこの広大な宇宙の中で生きている一つの命なのだとしみじみ思われてきます。
観光シーズンオフの屋久島は同時にポンカン&タンカンの収穫期。
色鮮やかに島を彩るポインセチアと相まって、温かなミカンの色が心を和ませてくれます。
そんな星座と島のミカンに鶏を結びつけたのは原(はるお)の「屋久島オリオン」さん。
お隣のお店と競い合うように幟はためく店のたたずまいは、いまや島のランドマークといえるかも。
扱う肉はチキンのみ!の潔さ。常日頃は「大きなチキンカツ。
ご飯大盛りで」とメニューも見ずに頼むのですが、今回はオリオンさんの看板料理「屋久島流幽庵焼き」を注文。
待つことしばし……
幽庵(ゆうあん)焼きは、江戸時代の茶人で食通でもあった北村祐庵(堅田幽庵)が創案したとされる和食の焼き物。
幽庵地=醤油・酒・味醂の調味液にユズやカボスの輪切りを入れたものを用いた魚の付け焼き。
オリオンさんでは島の焼酎三岳+タンカン+麦味噌でマリネしたグリルドチキン=焼き鳥を島の岩の皿に盛り付けた立派な創作島鳥料理。
オリオン座の和名は鼓星(つづみぼし)。
三ツ星は海や航海や和歌の神様である住吉三神とも模されています。
今年も安らかな島暮らしが守られるようにと願いを込めつつ美味しい鶏に舌鼓を打たせていただきました。
※ 今年のオリオンさんの冬季休業は1/11から2/10までとのこと。
次回は、鶏肉好きには堪えられない唐揚げ定食の巻……の予定です。
敬具
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