屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島カレー事情 第46回 赤き子の島に生まれし雨後の昼 和洋の狭間に知るカレーの深み

拝啓
 
屋久島の特徴の一つは新陳代謝の速さ
虫に食われた葉っぱがあっという間に新しい芽を吹きだし、台風で折れて枯れたように見えた枝からも春には新たな芽が吹き、大雨で転がされた石には半年もしない内に苔がむします。
 
人の暮らしもそれと似ていて、島で育った子供たちが高校を卒業して島を離れていくのと入れ替わりに、島に何の縁もなかった人々がやって来て暮らし始める。
それが根付くこともあれば数年を経ずして島を去ることもあり、その跡地にまた新たな人が暮らしを立てていきます。
 
そうした「命」の交代によって安房キッチン武田館の向かって左手、かつての「なつみ庵」さんの跡に芽吹いたのは「かたぎり」さんです。
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島の外でイタリアンや和食を手掛けてきたという、若々しいオーナーさんの店先に立て掛けられた看板には
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店内のメニューの先頭
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そしてパスタ単品
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そして
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しかし、私としては一番最初に頂くのはやはりこれ‼
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注文して間もなく参りました「たか海老エキスのトマトカレー」
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スッキリとしたトマト味がいかにもイタリアン。
「たか海老エキス」ですから当然エビの身は入っておらず、具はトッピングの野菜のみです。
人によっては「これがカレーか?」といぶかる方もいらっしゃるでしょうが、これをカレーとして味わうことこそがカレーの奥深さを味わうことなのだと思います。
 
改装して張り出された店内左手には「キッズルーム」
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これから迎える島の雨季、行き処のないお子様連れには嬉しいスペースとなることでしょう。
 
「かたぎり」さんがこの島にしっかり根付かれることを願うばかりです。
 
敬具
 

 
これまで紹介した「屋久島カレー事情」インデックス

  原 「ノマドカフェ」
第44回 年の瀬に飛び立ちて行く背や丸し  EBI Fly to the distance
 安房 「田中屋」
第43回 和も洋も隔てなきなり島カレー 受けて立った宮之浦の戦い
 宮之浦「雲水」
第42回 春牧に昇る旭日を拝みけり 笑顔は究極のスパイスなり
 春牧「喜楽里」
第41回 軒先の雫気にせずカレー買う 県道脇のコンテナで作るオヤジに買うオヤジ
 小瀬田 「モリカフェ」
第40回 新月に隠れてうさぎカレー食い カレーが地球を回している
 麦生「DAVIS」
第39回 人の世を写して流る秋の雲 ブタにも「六」がありました
 安房「ポルコ」
第38回 春にまた戻る日を待つ渡り鳥 また来ってこいよ南国Amara
 安房「Amara」
第37回 神代より天下りたり愛の秋 姉弟そろって豆カレー
 平内 「アイノワレストラン」(サウスビレッジ内)

第36回 あきもせず くるりくるりの島時間 港に香るカレーの風味
 宮之浦「雪苔屋」
第35回 島に逃げ極楽とんぼの島カレー 南の村の豆カレー
 平内 「サウスビレッジ」
第34回 透き通る海を背中に浜カレー 浜辺でスパイシー
 一湊海水浴場 「カレー専門店 屋久島カレー グロース」
 安房 「ジャングル・キッチン 近未来」
 楠川 「楠川ふれあいセンターじょんこう茶屋」
第31回 梅雨空に割りてすがしきカレーパン モーニングカレーパン
 尾之間 「ペイタ」
第30回 海山にガッツリカレー連れテイク ガッツリ登山弁当カレー
 安房 「かもがわ」
第29回 台風も賑わうアジアの交差点 パワーアップして帰ってきたAmara
 安房 「新Amara 南国酒場」
第28回 屋久島にアジアの緑風巡り来る 京都からやってきたアジアンカレー
 尾之間「バリスタイル レストラン&バー Warung Karang(ワルンカラン )
第27回 ラーメンをスープにさらう島カレー ラーメン屋のカレー定食
 宮之浦 「王龍(ワンロン)」
第26回 脇役のカレー目当てに蕎麦すする カレーやってます
 尾之間 「手打ちそば屋」
第25回 春雨に煙る木立のカツカレー 縄文登山のカレー
  安房「杉の茶屋」
第24回 春の午後カレーも香り桜咲く 新しい春のカレー
  尾之間 お食事処「春」(リニューアル店)
第23回 県道に萌え出づる春カレーあり 年季の入ったかわいい系喫茶店
  小瀬田「花鈴」
第22回 花咲ける島のカレーに恵比須顔 島に溢れるなんでもありの多様性
  安房屋久どん」
第21回  雲間より漏れ出づる陽のカレーかな 輝くカレー
  安房「島・しまキッチン」
 
※ 番号の重複をご容赦ください

第21回  対岸に香れるカレー求めけり 海を渡って
  鹿児島市 チチビスコスリランカ かごしま
第20回 どんぶりに残せる鹿よ悪しからず たしかにしか
  宮之浦「カフェ・ヒトメクリ」
第19回  寒中の陽だまりすくう金曜日 金曜はカレーの日
  宮之浦「陽だまり」
第18回  小寒の温かなるビーフカレー 家路
  安房「和が家」
第17回  新年のカレーで初心立ち返る 求めるものは店それぞれに
  宮之浦「洋食の寺田屋
第16回  冬空に一人向かいてカツカレー カァッツ!
  小瀬田「愛子亭」
  春牧「ふれあい」
第15回  幻のカレーやいずこ天狼星 ここは屋久
  安房「萬来軒」
第14回  冬の海眺めてカレー食らう午後 海の見えるカレー
  宮之浦「Bay's Caf'e Jane」
  安房「和茶灯(わさび)」
第13回 食べることそれは生のあかしなり 木枯らしの吹き荒れる海ボンカレー
 
第12回 穏やかな秋のバザーにカレーあり マイルドバザーカレー
  安房すみれ幼稚園
第11回  カレーには味も値段も決まりなし あっぱれなカレー
  原「ノマドカフェ」
  尾之間「モッチョムビュー トーン」 
  安房「田中屋」
第10回  一皿に カレーの美学 香り立ち アートなカレー
  麦生「屋久ヴィータキッチン」
  原「屋久ノマド カフェ」
第9回  賭け事は性に合わぬとシカトする 玄関口のカレー
  小瀬田「屋久島空港食堂」
  宮之浦「観光センター」
 
第7回  南蛮の香り受け継ぐカレー蕎麦 熊毛郡ゆかりの南蛮蕎麦
  宮之浦「楓庵」
  安房「きらんくや」
第6回  カレーから立ち現れし店の主 レストランのカレー
  安房ファミリーレストランかもがわ」
  安房サンパウロ
  原「オリオン」
  安房「よろん坂」
  尾之間「トーン」
第5回  カレー屋と聞けば目覚める腹の虫 カレー専門店
  小瀬田「屋久島カレー茶房 ハイビスカス」
  宮之浦「カレー専門店 屋久島カレー グロース」
  安房「カレーと多国籍料理の店 Amara」
第4回  手で割って頬張る楽しさカレーパン カレーパン事情
  宮之浦「ひらみ屋」
  安房「ヒロベーカリー」
  安房「しいば」
  尾之間「Pain de Sucre パン・ド・シュクル」
第3回 風を待つ街にカレーの風が吹く 「本格」「印度風」ばやり
 
第2回 一皿の命の旨味有難し 樹林のオーロラカレー
  小瀬田「樹林」
第1回 独りでもカレーが繋ぐ人の縁 萬萬亭の500円カレー
  小瀬田「萬萬亭」