屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島ラーメンの細道 第1回 土着の味を求めて

拝啓

屋久島ラーメンの細道 第1回  土着の味を求めて

屋久島と京都を行き来するようになったのが12年程前、六角堂のコテージを始めてから5年、移り住んで早2年。訪れた島の飲食店や弁当・パン屋さんは軽く50軒は越えていると思います。人口1万3000人ほどの島にそんなに飲食店があるのか?と思われる方もいらっしゃるでしょうが、探せばあるものです。

ご来島の観光客の皆様や、島に暮らしていながら外食し慣れていらっしゃらない方のお役に立てばと、その一部を
合わせて70回以上のご連載をして参りましたが、その基準は千円札一枚で気楽に食べられるお店です。

さて、カレー、丼と来れば次は麺類。うどんでもなく蕎麦でもなく、ましてやスパゲティでもきしめんでもなくラーメンです。しかし、京都や東京、博多や札幌のようなラーメン専門店が島に数あるわけもなく、地味に地道に島を巡るラーメンの細道をたどってみようかという連載です。

その第一回目を飾るのは「ラーメン」を看板に掲げた店ではありません。店には数十種類のメニューがあるにもかかわらず、そのメニューシートの一番にラーメンを掲げているあの店……

その店先の立て看板の貼り紙は時々変わりますが、先日伺うと「野菜卵とじラーメン」と書き込まれていることに気付きました。

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ここまでくれば、もうどこのお店かお分かりでしょう。これは天の啓示かと思い、店内へ。

改めてメニューを見ると、メニュー第一番の「ラーメン」には「萬来軒の定番の味」との断り書きまでついているではありませんか。

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ただ、ラーメンだけではお腹が足りそうにないのでライスでも付けようかと思ってメニューをたどれば、定食の第一番に「ラーメン定食」が掲げられ、「炒飯、天津飯、カレーのうち1品」とあるではありませんか。ここでカレー付ラーメン定食を頼むべきなのか?

しかし、そもそも自分は表の立て看板の「野菜卵とじラーメン」に惹かれていたはず。そこでお店を仕切る御姉様(愛想と恰幅のよいお年を召した御婦人)に「差額を払うのでラーメン定食のラーメンを野菜卵とじラーメンに替えていただけませんか?」と願い出ると、腕をクロスさせて「他のお客様との兼ね合いもあるので、できません」とつれない返事。「残念だねぇ」と呟きつつ「それじゃぁ、ラーメン定食……天津飯で」と注文。待つこそしばし、

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単品の天津飯より小さめですが、それでもちゃんと紅ショウガが載った天津飯セット。添えられたマヨネーズは天津飯に掛けろというのでしょうか?

野菜の甘みの利いたラーメンのスープに甘いあんかけのとろみが絡んだご飯ぎっしりの天津飯。これぞ屋久島の味やなぁと麺を食べ終わってスープをすすっていると、観光客風の若者四人連れが入店。

「わ~~おばあちゃんがお店やってる~~、なんか懐かしい感じの店だよねぇ」と盛り上がっていました。

屋久島が「観光立島」を目指すなら、こうした若い観光客が島(離島・田舎)に何を求めているのか知るべきだと、改めて考えさせられた店の一コマでした。

敬具