拝啓
ガイドブックに載っている特産物は首折れサバやトビウオやカメノテなどの海産物、タンカン・ポンカン・お茶・ウコンなどの農産物。
土産物屋にも屋久杉の工芸品と共に、そうした産物の加工品が並んでします。
ならば島の特色たっぷりの丼があるかといえばさにあらず。
サバやトビウオを使った料理が盛り込まれた定食はどこにでもあるのですが、海に囲まれているから「海鮮丼」を食べたいと思っても、島の南部では滅多に見かけず、おいしい海鮮チラシを出すお店は先日、店主急死のため店を閉めてしまいました。
「ガイドブック目線の島らしさ」を探していると、ともすれば単調な景色しか見えてこないのはどこの田舎でも一緒かもしれません。
一方、旅の楽しみは住み慣れた町の「日常」を超え、気付かぬ内にどっぷり浸かった「常識」を再認識してそれを打ち破ること。
美味しいとか綺麗とか言った基準ではない「非日常の非常識」を求めると、旅は全く違った味わいをもたらしてくれるものです。
そうした目線で島を眺め直した時、「屋久島らしさ」に溢れた丼とは安房港から歩いて5分ばかりにあるお食事処「萬来軒」の「麻婆丼」(http://www.yakushima-marche.com/cust-spot/6299/)かもしれません。
営業スタート時間になると、店の前に車がずらりと並びます。
2時過ぎから6時まではお休み。
準備中の看板が外されると、お薦めのサインボードが出ます。
見ただけで店の個性を感じられるサインボード。
一番トップが麻婆豆腐定食。今回は定食ではなく「丼」を注文。
「萬来軒」という店名や店構え、サインボードのメニューだけを見た観光客の方は「中華料理屋か」と思って入店されるでしょうが、店内のメニューを見て「えっ?」っと呟き、頼んだ料理を口にして「ん~~」と唸ること請け合い。
永く島に暮らす人にとってはここもまた中華料理店かもしれませんが、移住者や観光客の感覚では「中華風の料理もある島独特の食堂」ということでしょうか。
私のようにテレビも新聞もない島暮らしをしている者にとってはちょいちょい行くのによいお店。
何より「ビッグコミック」と「ビッグコミックオリジナル」が置いてある数少ない店。
漫画雑誌や新聞片手に、テレビをチラ見しながら「屋久島の味」を頬張っていると、島に暮らしている気分に浸れます。
ただ残念なのは、さるFB「https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=700377629983545&id=244681462219833」で紹介されていた看板娘の島美人にはついぞ出会ったことがないこと。
自分の口にあったもの、それは当然こうでしょうという常識から逃れられない方には不向きだと思いますが、島らしさを体感されたい方は是非、萬来軒で異文化体験をお楽しみください。
敬具
追伸
なぜ「ビッグコミック」と「ビッグコミックオリジナル」が足を運ぶポイントになるのかは、また別の機会にご紹介します。
屋久島丼紀行インデックス