屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島カレー事情 第16回 冬空に一人向かいてカツカレー 「カァッツ!」

拝啓
 
昨日、2014年締めくくりの屋久島カレー事情第15回と書いたばかりですが、今日も今まで食べていなかったお店のカレーを頂いたので、やはりお伝えせねばと思い……
 
島の定食であれ弁当であれ、決まったように入っているのが鶏のから揚げとツケアゲ(トビウオのすり身のハンペン)。
そして必ずといっていいほどあるのがトンカツの定食や弁当です。
カレーもまたしかり。
揚げ物はカロリーが高く腹持ちが良いので、山や海や里で働いたり遊ぶ人達の望みにかなうのかもしれません。
 
今回頂いたのはそんな島の空の玄関口、屋久島空港の脇にある屋久島エアポートホテル一階の「愛子亭」(http://tabelog.com/kagoshima/A4605/A460501/46000298/)のカツカレーです。
店の前に“トンカツ”と書かれた幟が立っていたこともあり、カツカレーを食べるならここで一度と思いつつ、夜の6時からしか開いていないので食べそびれていました。
今日通りかかると明るい光がドアから漏れており、今こそその時とばかりに車を止めて入店。
 
一人である旨を伝えるとカウンターの席を指差されました。
渡されたメニューにカツカレーがあることを確認するや否や、すかさず注文。
まずはサラダが運ばれ、カツを揚げる音を聞くこと数分、いよいよやってきました、カツカレーが。
イメージ 1
何の変哲もないカツカレーのようですが、カツの形に魅力を感じました。
小判型のカツがドンと乗っている店が多い中、ロース肉の形が生きたフォルムにこの店のセンスを感じます。
 
また、島の飲食店の多くにはカウンター席がありますが、カウンターが物置状態になっていて、そこに掛けて食べられる店が少ないのを常々寂しく思っていました。
ラーメンとカレーはカウンターに限ると思ってきた身にとって、久しぶりにカウンター席で食べるカレーは心を和ませてくれました。
 
カツカレーと言えばこの7月の始め、知り合いの方におごって頂いた「ふれあい」のカツカレーがありました。
県道からヤクスギランドに上がる交差点の角にあるお店は中華料理屋の様な居酒屋のような不思議なお店です。
そのカツカレーは……
イメージ 2
中華スープ付のボリュームたっぷり、ご飯の上にお店の誠意が載っているようなカツカレーでした。
 
カレーは、それがたとえ少しばかり胸焼けのする業務用のカレーを使ったお手軽カレーだろうと、スパイスの組み合わせからオリジナルの手作りカレーであろうと、それぞれの家の舌に馴染んだオカンのハウスカレーであろうと、人の心を温め元気を与えてくれることに変わりはありません。
 
事故や事件や戦乱や、病や飢餓や環境破壊に満ち満ちたこの地球の上で、不安や怒りや苛立ちや、恨みや妬みや悲しみを乗り越えて明日も元気に生きていけるよう、天から下されたのがカレーなのだと思いつつ、2014年屋久島カレー事情の匙を置きます。
 
敬具