屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

歳末のガラガラに聴く天の声

拝啓
 
2014年最後の日曜日。六角堂香草食堂スパイシーブックカフェ=イートハーブの年内の営業は先週火曜日で終了させて頂きましたが、「今日はやってますか?」とお電話を頂いたり、わざわざ足を運んで下さったお客様もいらしたり、毎度のことながら大変申し訳ございませんでした。
 
新春の営業は1月第2週の11日(日)、12日(月:成人の日の祝日)、13日(火)からを予定しております。
 
ただ今日の夕刻、何やら「お告げ」のような出来事があり、ひょっとしたら第1週の1月4日(日)、5日(月)の午後、店を開けさせて頂くかもしれません。
 
その「お告げ」とは……
 
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島民ならだれでも知っているドラッグモリの抽選会。7回ガラガラすると、いつもならミネラルウォーターがぜいぜいのところ、今回はレトルトカレーと讃岐うどんが当たりました。
 
カレーとうどんとは、これはまさに「キーマカレーうどんを世に広めよ」という天の声ではないかと思ってしまいました。
 
11月末から、ご注文されたお客様には秘かに召し上がって頂いていた裏メニュー「タヌキーマ」。ターメリックライスの代わりに讃岐うどん、その真ん中にキーマカレー、ピクルスの代わりに白ネギがトンと乗り、出汁はお馴染み萌え燃えスープ。「タヌキーマ」はAカップカレーがうどんバージョンに“化けた“スペシャルキーマカレーうどんです。
 
以下、若干の「たぬき」講釈……
 
そばに油揚げを載せれば「キツネそば」、うどんに載せれば「キツネうどん」。載るのが揚げ玉なら「タヌキそば」や「タヌキうどん」と思うのは標準語の世界の話。
 
大阪では醤油と砂糖で甘辛く煮た薄揚げを載せたうどんを「キツネ」と呼び、その麺がそばに“化けた”のを「タヌキ」と呼ぶのが通例。大阪で揚げ玉の載ったそばやうどんを食べたいのなら、かけそばやかけうどんを注文して、テーブルの上に“ただ”で置かれている揚げ玉を振り掛ければよいのです。ただしお高く留まったうどん屋には揚げ玉は置いてありません。
 
ただ、同じ関西でも京都はちょっとばかりややこしくなります。彼の有名な平安時代の陰陽師安倍晴明(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%80%8D%E6%99%B4%E6%98%8E)の母である白狐が住んでいたとされ、歌舞伎『葛の葉』(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%9B%E3%81%AE%E8%91%89)の舞台となった信太森(しのだのもり)神社・葛葉(くずのは)稲荷にちなんで、薄揚げを乗せたキツネうどんを「しのだ」と呼び、刻んだ油揚げの上から葛餡を掛けたうどんを「たぬき」と呼ぶ店もあります。
 
ちなみに東京都港区に本社がある東洋水産の「マルちゃん緑のたぬき天そば」は、揚げ玉と小エビで作ったかき揚げ入りのそば。大阪府吹田市に本社のあるエースコックの「京都たぬきうどん」は餡かけのうどん。大阪府高槻市で創業しながら東京と大阪の両方に本社がある日清の「どん兵衛」シリーズには、キツネはありますがタヌキはありません。
 
どうでもよさげなことを長々記してしまいましたが、要はタヌキーマ。それは
riceがudonに化けたoriginal keema curry udon です。
 
福岡県の博多には“元祖キーマカレーうどん”を謳う「博多あかちょこべ」(http://www.akachokobe.com/akatyokobenomenu/)さんがあるそうですが、出汁はいわゆるうどん出汁のようです。一方、スパイシーブックカフェ=イートハーブの「タヌキーマ」の出汁は6種類の野菜ベースでクミンやクローブの香るスパイシーなスープです。
 
屋久島でしか食べられない、世界でここだけのタヌキーマ。よろしければ一度お試しください。ただし、ご用意できるのは午後2時以降です。
 
年末年始は屋久島にも寒波が訪れ、ひょっとすると里にも小雪が舞うかもしれません。皆様お風邪など召しませんよう、よい年をお迎えください。
 
敬具
 
追伸
1月4・5日の営業の有無につきましては、追ってご連絡申し上げます。