屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

寒月に宛先知らぬ手紙書く

拝啓
 
一昨日は全国的に大荒れの天気でフェリーも高速船も欠航となり、縄文杉に向かう荒川登山口までの町道は積雪と凍結のため通行止めになりました。「ヤクザル奮闘記」さんのブログ(http://blogs.yahoo.co.jp/yakesugi_png)では、雪霧に霞む縄文杉の様子が紹介されています。
 
それと打って変わって昨日は、日向ぼっこしていると肌が焼けそうなほど温かな日差しの一日となりました。こんな穏やかな晴れの天気が続いてくれるとありがたいのですが。
 
さて、次週の六角堂スパイシーブックカフェ・イートハーブは、年内の営業の締めくくりとして第35回12月21日(日)、第36回22日(月)、第37回23日(火)の三日連続で営業いたします。日曜日は11時から夕方5時まで、月・火曜日は11時から夜7時までの開店です。ご用意させて頂くカレーは定番のキーマと豆のカレーにあと一種類(未定)。各種ホットサンドの他、焼き菓子もご用意させて頂きますので、ティータイムにはクッキーをかじりながらコーヒーやマサラチャイもお楽しみください。
 
12月に入ってから、食後にゆっくり絵本を楽しんで下さるお子様連れや、チャイと共に好みの詩集のページを繰ったり、コーヒーをすすりながらguestで自由にご利用いただけるWi-Fiでタブレットに向かって過ごされるお一人様が増えて参りました。
 
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クリスマス前の午後ひと時、イートハーブでおくつろぎいただければ幸いです。
 
そして今年最後の『今週のおすすめ絵本』「手紙特集」です。
 
年賀状書きに追われている方もいらっしゃるかと存じますが、このブログ「屋久島六角堂便り~手紙」を皆様にお送り始めたのは今年の3月26日、「草鞋を一足脱ぎまして」で始まって今回で126通目となりました。細々とでもこうして続けてこられたのはどこかの空のもと、読んで下さる方がいらっしゃってのことです。
 
目の前にいなくとも伝えたい相手がいる、その人に伝えたい思いがある。手紙はその証です。mailのやり取りもよいですが、時間を掛けて綴られた手紙は伝わるものも違ってきます。
 
六角堂にある手紙や郵便に関する絵本は9冊ほど。その内の特選4冊の
 
1冊目は『てんごくのおとうちゃん』(作:長谷川義史、講談社2008年初版)
 
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ユーモラスな絵と大阪弁で知られる長谷川義史さんの自伝的作品。「はいけい、てんごくのおとうちゃん、げんきにしてますか」で始まる「手紙」は、会うことはできないけれど必ずどこかに存在していることを信じている者にしか分からない情愛にあふれています。
 
2冊目は『ダギーへの手紙』(文:E・キューブラー・ロス、訳:アグネス・チャン、絵:はらだたけひで、佼成出版社1998年初版)
 
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「いのちって何?死ぬってどういうこと?」と問いかける小児ガンで死と直面した少年にE・キューブラー・ロスは、生きる勇気を与えるための手紙を書きました。彼女は〝死の受容のプロセス〟で有名な精神科医。死の間際にある患者とのかかわりや悲哀(Grief)の考察や悲哀の仕事(Grief work)についての考察を深めた彼女だからこそ伝えられる、少年=命への思いに打たれます。
 
3冊目は『てがみぼうやのゆくところ』(作:加藤晶子、講談社2014年初版)
 
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第35回講談社絵本新人賞受賞作のこの作品は焼きたてのクッキーのような絵がほのぼのさせてくれます。孫からおばあちゃん宛に投函されたてがみぼうやは途中で迷子になり、ヤギさんに出会って……
 
4冊目は『ゆかいなゆうびんやさん』(作:ジャネット&アラン・アルバーグ、文化出版局1987年初版)
 
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仕掛け絵本になっていて、手紙を開封するときのワクワク感を味わえます。
 
その他5冊は初版順に……
 
『アウシュビッツからの手紙』(作:早乙女勝元、絵:岡野和、草土文化1980年初版)
『ゆうびんやさんのホネホネさん』(作:西村温子、福音館書店1998年初版)
『やぎさんへてがみ』(作:加藤多一、絵:長野ヒデ子、教育画劇2000年初版)
『ゆうびんやさんおねがいね』(文:サンドラ・ホーニング、絵:バレリー・ゴルバチョフ、徳間書店2007年初版)
『ゆうびんやぎさん』(文:杉本沙希、絵:とりごえまり、くもん出版2009年初版)
 
慌ただしい年末ですが、どうぞチャイやコーヒーを召し上がりながらお手に取ってゆっくりご覧ください。
 
敬具
 
追伸
念のためにもう一度、年内最後の営業は12月21日(日)、22日(月)、23日(火)の三日連続で営業。月・火は夜7時まで店を開けております。