屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

繁盛を願いて注ぐ恵比寿かな

屋久島のえべっさん巡り  第1回  尾之間~原~麦生

拝啓
 
朝からシジュウカラやメジロやヒヨドリが庭の樹々を飛び交ってはピィと鳴く、晩秋の麦生です。
 
県道を走っているだけではなかなか気付きませんが、防風林の向こう側でポンカンやタンカンの実が黄色く色づき始めています。もう一つ気付きにくいのが、それぞれの集落にある「港」でしょうか。
 
県道77号線と78号線で繋がった一本道をぐるっと回れば三時間ほどで一周できる屋久島ですが、県道ができるまでの集落間の主要な交通は海路だったそうです。行き来が難しかった分だけ、お年を召した方の中には集落内の連帯感=他集落とは違うぞ意識が根強く残っているようです。
 
そんな集落の中心ともいえる港には、「恵比寿様」(関西ではエベッサン、屋久島では……?)が祀られています。
 
今回は島の南部の三つの集落、尾之間(おのあいだ)・原(はるお)・麦生(むぎお)の恵比寿様をご紹介いたします。
 
■ 尾之間の恵比寿様
 
尾之間には三か所に恵比寿さんが祀られています。Aコープの旧県道を挟んだ高台、自然休養村管理センターの駐車場奥の大木の根方にいらっしゃるのが「村ヱビス」さん。
 
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どうどうとした威厳のあるお姿です。
 
二か所目は尾之間浦の港。尾之間の温泉に行く人は多くても、港への降り口を知っている人は少ないかもしれません。Aコープと農協の駐車場の脇の坂道を下って行くと小さな港があり、その斜面に恵比寿様はいらっしゃいます。こちらは「浦ヱビス」さん。
 
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ちゃんと塩が盛られてお神酒が供えられているのが印象的です。
 
三か所目はJTホテルの左手にある駐車場から海に降りていく散策路の途中。ここには「浜ヱビス」さんがいらっしゃいます。
 
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福々しく七福神らしいお姿です。
 
 
■ 原の恵比寿様
 
原の恵比寿様は原漁港にいらっしゃいます。不動産会社屋久島パインの向かいの筋を海に降りていく道は何故か二車線の広い道です。
 
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きちんとしめ縄が貼られ、パステルカラーの彩色が施された恵比寿様は、まさに恵比須顔です。
 
■ 麦生の恵比寿様
 
集落の中心から港に降りる道はあるのですが、車が入りやすいのは町営住宅の脇からの舗装路。下っていく坂の途中にある赤い鳥居の正八幡(向の)神社を過ぎると洒落たアパート二棟があり、その下が麦生漁港です。台風の際の避難港となっているそうで、漁港の規模に似合わない大きな防潮堤が横たわっています。
 
港を通り過ぎ、昔からある集落へと登っていく細い道の脇に恵比寿様はいらっしゃいます。
 
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何故か三体。否、左の祠にちんまりいらっしゃるのは大黒様でした。
 
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右の祠の恵比寿様は顔が半分かけていますが、凛々しい表情の武家風のお姿です。
 
さて、そんな麦生のはずれにある六角堂。その母屋にも「恵比寿様」をお招きしております。
 
お一人は京都の京都恵比寿神社から遠路はるばるお越しです。
 
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もうお一人はどのスーパーでもおなじみの方。
 
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「商売繁盛で笹もってこい、吉兆買う人得な人、来年も吉兆はここだっせ」というお囃子と威勢の良い掛け声を屋久島で聞くことはありませんが、どうぞこの冬、あくる春、島ににこやかな恵比須顔があふれますように。
 
そう願いながら、今宵は特別にYEBISUをいただきます。
 
敬具