屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

枯れ尾花知らぬは海のマーメード

拝啓
 
朝から小雨のぱらつく物寂しい月曜日となった屋久島麦生。玄関脇に飾ったススキの穂が、何ともいじらしく風に揺れていました。
 
それでも昼前には三人連れのお客様がいらして下さり、「ああ、今日も客様が来てくださった」と感謝の念。三時過ぎまではお茶を飲みながらゆっくり読書して下さるお客様もいらして、日曜日とはまた違った雰囲気をお楽しみいただけたかと存じます。
 
さて、今週土曜日の夜は「新月キャンドルナイト」(詳細は焚キャンドルさんのページでhttp://www.takibicandle.com/takibi-candle/)の臨時営業。ロフトでは、キャンドルづくりのワークショップも行われるので絵本コーナーも、少しはご覧いただきやすいように整理する予定です。
 
そこで今回は少し早目の『今週のおすすめ絵本』
 
テーマは前回の続編で『外国の人魚』です。
 
六角堂には人魚にまつわる絵本が13冊あります。その内の8冊が外国の人魚の絵本で、1冊は『3人の小さな人魚』(デニス・トレ&アレイン・トレ作、評論社1979年9月刊行)という、かわいらしい人魚の娘たちのお話です。
 
残りの7冊はデンマークの童話作家かつ詩人のハンス・クリスチャン・アンデルセン(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%B3)原作の『人魚姫』。
 
人間に恋をした人魚のせつない物語だったかな?という感じで何となくあらすじを記憶にとどめていらっしゃる方も多いでしょうが、その話の結末部分は、翻訳者によってずいぶんと違っています。また人魚の姿も、画家によってずいぶんと異なります。
 
どんな風に物語や絵が違っているのか、次の土・日・月の営業日、手にとってゆっくり読み比べ頂ければ幸いです。ご来店のお楽しみのため中身には触れず、どんな本があるかだけ、初版発行年順にご紹介いたします。
 
【1】 1967年12月
 
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文:曽野綾子、絵:岩崎ちひろ、出版社:偕成社
 
【2】1985年8月発行 『人魚姫』
 
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再話:マーガレット・マロー二―、絵:ラズロ・ガル、
訳:桂宥子、出版社: ほるぷ出版
 
【3】 1998年12月発行 『人魚姫』
 
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文と絵:石倉欣二、出版社: 小峰書店
 
【4】  2004年9月刊行 『アンデルセンの絵本  人魚ひめ』
 
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文:角野栄子、絵:リスベート・ツヴェルガー、出版社:小学館
 
【5】 2005年12月発行 『チェコの絵本シリーズ 人魚ひめ』
 
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絵:ヨゼフ・パレチェク、訳:石川史雄、出版社: プロジェクトアノ
 
【6】 2007年7月発行 『人魚ひめ (世界名作おはなし絵本)
 
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文:末吉暁子、絵:三谷博美、出版社: 小学館
 
【7】 2007年6月発行 『アンデルセン 人魚姫』
 
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絵:清川あさみ、訳:金原瑞人、写真:鈴木理策、出版社: リトルモア
 
六角堂イートハーブの真ん中の楕円テーブルには、これら7冊の絵本に加え、人魚が登場する16の民話を集めた「世界の民話館 人魚の本」(著:ルース・マニング=サンダーズ、訳:西本鶏介、出版社:復刊ドットコム)も並べておきます。「人魚姫」とは一味違った、多様な人魚の姿を見ることができる面白い本です。ロビン・ジャックによる挿絵も独特でなので、手に取ってご覧ください。
 
六角堂は麦生の小さな図書館でありたいと願っています。どうぞお気軽にお越し下さい。
 
今週土曜日は夕方5時から夜9時まで、月曜日は朝11時から夜7時まで営業しております。
 
敬具