拝啓
台風18号が刻々と九州に向かっていますが、今日の麦生は夕方パラリと通り雨がりましたが、概ね晴天。穏やかな秋の一日でした。
沖を見れば漁船が二隻、トビウオを獲っているのでしょうか。
庭先に目を転じれば、垣根に巣を張って餌を待つクモと、その上を飛び回って餌を獲るトンボ。待ち続ける粘り強さも、せわしなく飛び回る気力も、生きるための営みとは大したものだと感心して眺めることしばし。
ギャーキャー鳴き声がするので川沿いに目を向けると、今朝もヤクザル親子が樹上で食事。
何を食べているのかと、サルが去った後で樹を仰いでみると、何の実か分かりませんが、小さな実がずっしり実っていました。
その脇の電信柱には、クモが群れて巣を張っています。何も同じ処で、ここは餌の通り道かと思いきや、よく見ると二種類のクモが数匹ずつかたまっています。
なるほど、そういう訳ですか、としばらく観察。地味で小ぶりな一匹が派手で大振りな一匹に次第に近付き、合体。
向い合せなんですなクモは、と妙に感心。それにしても後れを取った一匹の恨めし気なことと憐れんで、ふとそのすぐ上を見ると。
体がなく足ばかりの成れの果てがダラリ。
子を宿す女のたくましさと、男の哀れさの標本を見る思いでした。
敬具