屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

去る夏をハイビスカスが留め居り

拝啓
 
大雨洪水警報や特別警戒警報が出て屋久杉ランド線や白谷雲水峡が立ち入り禁止となっていた屋久島も、今朝は何日か振りの晴天。ただ爽やかというよりも、たっぷり地面に吸い込まれていた水が、一気に水蒸気になった立ち昇っているような蒸し暑い朝です。
 
そんな早朝からツクツクボウシがせわし鳴く中で、屋久島の夏の終わりを象徴する「ギウィ~~~~グェグェグェ」とけたたましいセミの鳴き声が響きます。
 
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ツクツクボウシの一種「クロイワツクツク」です。島に来た当初はカエルか鳥の鳴き声かと思ったほどの音量と、何とも言えぬ下品さに思わず笑いがこぼれるほどでした。クロイワは見かけからではなく沖縄の動物学者の名前からきているそうです。詳しく知りたい方は、下記サイトをご参照ください。
 
 
空から降り注ぐ柔らかな陽の光にちらちら輝く海を眺めていると、すっかり秋になったのだと実感しますが、六角堂の庭では今、ハイビスカスが花盛りです。
 
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まだまだ「南国」の雰囲気をたっぷり味わうことができます。
 
それでも動物たちはやがて来る冬に備えて忙しく活動中。ホトーの実が落ちてからしばらく姿を見せなかったサルも、またエサを求めて六角堂の脇までやってくるようになりました。
 
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「来る者は拒まず、去る者は追わず」
 
水の流れのように日々を送るのが、屋久島らしい暮らし方なのかと思う朝でした。
 
敬具