拝啓
その時の衝撃は今でも忘れられません。
うどんの出汁が透明なのです。
名古屋のうどん(と言うよりきしめん)の出汁は関東風で醤油がかった茶色をしています。
それで、一緒に食べた友人と二人「けちって駅の立ち食いウドンを食べたのが失敗だ。
汁に味も色も付いてない」と囁き合ったものです。
知る限り看板に「うどん」と掲げているのは安房の『銀月』ぐらいしかありませんが、お昼は営業していません。
聴く人によれば、「屋久島ではうどんはお店で食べる食べ物ではなく、乾麺を買ってきて家で作るものだ」とのこと。
またある人は「うどんは加ト吉の冷凍うどんが一番おいしい。
鹿児島では麺といえばラーメン。
ただし、Aコープにはカレーうどんを売っているという情報を元に尾之間のAコープに走りました。
すると、今まで気付きませんでしたが、あるではありませんか、二種類も。
早速「召し上がり方」を忠実に守って調理しました。
その結果は、二種類ともカレーうどんというよりはカレースープに泳いでいるうどんといった感じでした。
ただ、それぞれに学ぶべきことを発見しました。
「美味しさを伝えるつながる鹿児島」とパッケージの右端に小さく書かれているKYOUSYOKUのうどんは「麺の粉に1割甘藷でんぷんを使用しております」とのこと。
微かな甘みがあるのかと思いきや、40年以上前に学校の給食で出てきたカレーうどんを思い起こさせるある種の懐かしさを感じさせてくれる味でした。
こちらの調理法は「ゆでめん」だからか、沸騰したお湯にまず粉末スープを溶かし、そののち麺を入れてゆでるといったものでした。
一方「生タイプ」の「五木」は、麺をゆでた後スープを入れて煮込むものでした。
こちらのうどんでは大切なことを学びました。
「ねぎ・にんじん入り」と書かれていて、パッケージには筒切りの青ネギや乱切りにんじんが印刷されていたのですが、袋を開けてみてもそれらしい「具」はなく、スープに混ざっていたのは細かな刻みネギとニンジンらしき破片でした。
改めてパッケージを見ると写真にはしっかり「調理例」書いてありました。
こういう但し書きをちゃんと書き忘れないことがトラブルを避ける必要条件なのだと肝に銘じました。
ヒントは微かな「破片」です。
その時には是非ご賞味ください。
敬具