拝啓
連日うだるような暑さですが、木陰では汗も引き、川から涼しい風が吹き込む明け方にはセミの合唱がかしましい屋久島六角堂です。
どこから這い出してきたのか、灰皿受けにしている籠にもセミの抜け殻が止まっていました。
コテージ脇で二か月前には満開の花を咲かせていたホトーの樹も……
今ではレモン色の実を鈴なりに……
それをサルがかじっては地面に捨て……
そこからこぼれた種がまた新たな命を噴出します。
食べられることで命を紡ぐということを悲壮・残酷だと捉えるのではなく、自然な命の連鎖として受け止めていくことが大切だと教えられます。
カメラを片手に六角堂の庭を一回りするだけで、様々な命の交差が目に飛び込んできます。
動物が命を紡ぐ姿は何やら神秘的でもあります。
ちなみに艶やかな緑色をした立派な体格をしているのが女性。
その上にしがみついて生殖器を差し込んでいる小さいのが男性。
出会いを求める虫たちの多くは、初恋が一生一度の恋になるのでしょうね。
敬具