屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

月影に活かされてある梅雨の杜

拝啓
 
先日は、麦生の集落のあちこちで屋久島梅雨の風物詩「流し虫(空飛ぶシロアリ)」が発生していたようですが、今日までのところ六角堂はその襲来を免れています。
 
そんな梅雨に入って最初の満月の夜。六角堂では海から昇り来る月の出を見ることはできませんが、海を照らしながら高度を上げていく月を楽しむことができました。今夜の月はレトロなオレンジ色。
 
イメージ 1
 
麦生の静かな海を照らしながら昇る満月は、やがて薄い雲のベールを被って霞んでいきました。
 
イメージ 2
 
昨日の深夜、寝付けなくて母屋のデッキに出てみると六角堂は澄んだ月の光に満ちて、青紫の紫陽花はほのかに光っているようで
 
イメージ 3
 
屋久島に連れてきてからも花をつけ続けている蘭も、月の光を浴びて幻想的に花弁を広げていました。
 
イメージ 4
 
月の光のさやけさ。浮かぶ花の妖艶さ。それを味わわせてくれるのが島の自然なら、おどろおどろしい流し虫もまた島の命の営みとして受け止めていくのが、ここで生かされている人のあるべき生き方なのかもしれないと思えてきます。
 
敬具